美咲がベッドの掛け布団をめくると、それだけで女性特有の甘い匂いがふわりと舞った。ベッドのちょっとしたシワから垣間見える生活感にごくりと喉が鳴る。
「ほれ、コータロ。こっちこいよ」
ぺたりと女の子座りをして、ぽんぽんとベッドを叩く仕草が可愛らしい。
ベッドに上がると、美咲がずりずりとすり寄り、ジーンズ越しに膨らみを撫でてきた。
「……すごいな……」
「うっく、せ、先輩……っ?」
美咲は幸太郎が息を荒らげて戸惑うさまを嬉しそうに見つめると、そっと唇を重ねてくる。
「ちゅっ、れる、はぷっ……んふふ、コータロ、ひくひくしてる……ちゅっ、ちゅぴっ……可愛いなー、もう」
お酒の匂いがふたりの唾液にかき混ぜられ、とろり、とろりと押し流されていく。唇を重ねながら股間をまさぐられる快感。行為そのものは穏やかだが、幸太郎の血液は激烈な勢いで下腹部に流れ込んでいく。
「……先輩、脱いでいいですか」
「ん。いいけど……その前に訂正してもらいたいことがある」
「へ?」
「先輩、とだけ呼ぶのは味気ないな」
「……『日比谷さん』とかですかね?」
「なんだその微妙な距離感は……。名前で呼んでくれよ、ほら」
ほのかに顔を赤らめながら、両手で『こいこい』と手招きしてくる。可愛いけどちょっと腹が立つ。
「ぐぅ……っ。み、美咲先輩……で、いいですか?」
「……良しとしよう」
美咲が顔を逸らして震えている。耳まで真っ赤になっていた。意外と効いたらしい。
「じゃあ、脱ぎますね。美咲先輩」
「順応速すぎだろ……腹立つなぁもう……」
拗ねた口調で呟く美咲に悶えながら、上着とTシャツを脱ぐ。
「ふわ……っ」
美咲が小さな口をほわっと開け、どことなく幼い表情で惚けた。
「運動部にいたわけじゃないんで細いですけどね」
「いや、そんなことないぞ……なんていうか、ごつごつしてる……」
照れながらも全力で見つめてくる。はしゃぐ子どものようだが、言ったら怒るのでやめておいた。
「それじゃ、下も脱ぎますね」
「お、おう。どんことい!」
顔を真っ赤にしたハムスター先輩に苦笑しながら、幸太郎はジーンズを脱ぐ。ボクサーパンツは今まで見たことがないほどに張り詰めていた。
「はわわわわわ……もこってしてる……もこってしてる……っ!」
エッチなことに興味津々なヘンタイさん、といった感じ。
驚きで目を見開いた美咲が可愛らしくてしかたがない。脱ぐことに恥ずかしさはなかった。美咲の愛らしい反応を見ることができるのが何より楽しい。
それじゃあ最後に……と呟き、パンツを脱ぐ。
「ほわぁっ!?」
ぶるん、と現われた肉槍が下腹をびたんと叩く。天を衝くように反り返った肉幹。美咲は両手で顔を覆い、指のすき間から肉茎を凝視している。ベタだなぁ……と苦笑した。
「お、おっきくないか? 男の人ってみんなこうなのか……?」
ひざ立ちになった幸太郎の男性器を、美咲が顔から手を外してじーっと見つめる。
「うーん、あんまりわからないですけど……平均よりは大きいみたいです」
「測ったことがあるのか?」
「……中学三年生のときに」
「定規で?」
「……定規で」
急に恥ずかしくなった。美咲は幸太郎の赤面に気付かず、熱心に見つめている。
「うわ……っ!?」
美咲が両手を伸ばし、肉幹をすりすりと撫でてきた。温かな指がつっ、つつっ、と這い回る。
「すごいな……カタくて、太い……それに長い……っ」
いたわるような優しい手つきにかえって快感が増し、鈴口からどぷっとカウパー液が溢れ出た。
「ひゃっ……? これは何? 大丈夫なのか?」
「我慢汁ってやつです……。気持ち良かったり、興奮したりすると出るんです……っ」
「へ、へえ……そうなのか……」
美咲が指の腹で鈴口をぴとぴとと撫で、細指に先走り汁をまとわせる。そのまま竿に透明な液体を塗りたくっていき、「おお、なんかエッチだな……」と呟いた。
「……んっ、すごい匂いがするな」
美咲がすんすんと鼻を鳴らす。
「嫌ですか?」
尋ねると、美咲は眉をくにゃりと曲げ、こてんと首をかしげる。
「ん、独特な匂いだけど……嫌じゃないぞ。というか、なんかクセになりそう……」
さらりとすごいことを呟き、すんすんと鼻を鳴らし続ける。
「美咲先輩……エロすぎますよ」
「ふぁ……っ?」
耳をくすぐると、美咲は顔を上げて震えた。幸太郎をじっと見つめながら、薄い唇をひくひくとわななかせる。ピンクの可愛らしい下着に包まれた身体をよじらせながら、力強く勃起した肉槍を撫でさすってくる。
「美咲先輩は感じやすいんですね」
「あっ、ふぁぁ……っ、そ、そうなのか? でもなんか、自分でするよりも……あ」
「……今、すごいことを言おうとしてましたよね?」
「ぅあっ、なんでもないっ、ひゃんっ、なんっ、で、も……やぁぁっ、耳ばっかさわるなぁ……っ」
美咲が泣きそうな表情で艶っぽく喘いだ。
(美咲先輩って、ひょっとしなくてもMなんじゃ……)
生身の女性経験がなくとも、今まで漫画や動画、ゲーム等々で様々な女性を見てきた。過去のデータから考えると、美咲はM……それも、ドMに思える。
「あっ、あんっ、……な、なあ、コータロ……」
「なんですか?」
「コータロは……こんなにおっきくて、ふとくて、カタいのを……アタシの中に、挿れたいのか……?」
上目遣いで、まるで内緒話をするようなひそひそ声で囁かれた強烈な言葉。頭がぶん殴られたような衝撃を受ける。押し倒せとがなりたてる本能を必死で抑え込んだ。
「……そうですよ。挿れたいです。それも、すごく」
「…………っ、そ、そう、か……っ」
美咲が目を見開き、瞳を泳がせ、どこか不安げに、それでいてどこか嬉しそうな、複雑な表情を浮かべる。言葉を交わす間も幸太郎は美咲の耳をまさぐり、美咲は肉幹をさすっていた。
「……だから、その準備をしましょう。美咲先輩、寝転がってくれますか?」
「う、うん……わかった」
こくこくと頷く美咲の仕草は、まるで小動物のようで庇護欲をそそった。
美咲はふたつのおさげをほどき、ころんと寝転がる。ゆるく波打った明るい茶髪が枕にふわりと広がった。
「コータロ? どうしたんだ?」
「いや、その……すごく綺麗だなーって」
「……そんなに凶暴なもんを見せつけながら、ピュアなこと言うなっての」
思わぬカウンターに悶絶するが、美咲は美咲で赤くなった顔を横に向けている。ふくよかな胸の上で手を重ね、太ももをもじもじとこすり合わせる仕草がたまらない。
「それじゃあ、いきますよ」
「お、おう。どんとこい……」
言葉と声音がまるでかみ合っていないさまに愛おしさを覚えつつ、美咲の太ももに跨る。美咲がぴくりと震え、ちらりと幸太郎を見上げ、また顔を逸らした。髪をそっと撫でると、猫っぽい目が気持ち良さそうに細められる。髪の毛はツヤツヤで、信じられないほど柔らかな手触り。
「美咲先輩、すごく可愛いです」
「ひゃっ……ふわ……あう、そ、そう、か……? はぅぅぅ……っ」
一目惚れした先輩を真摯な目で見つめながら、髪をくしくしと撫で、徐々に耳へとすべらせていく。
「あっ……? ふわっ、やぁんっ、ふふっ、くすぐったいぞ……あっ、うんんっ、あっ、あっ……」
ゆっくりと身をよじる美咲の声が徐々に蕩けていく。慎重に、慎重に……と自分に言い聞かせる。手の震えがバレやしないかと心配でしかたがない。
体育祭のリレーのスタート前よりも、大学受験よりも、今この瞬間の方が緊張していた。動画や漫画とは違う、初めて触れる生身の異性の身体。いざこうして目の前にすると、どうすれば良いかわからなくなってしまう。
けれど、それは美咲も同じこと。さっきだって、口づけしたときや肉竿に手を触れたときの彼女は震えていた。お互い、怖いくらい緊張しているのだ。
「んっ、はぁぁ……コ、コータロ、いいのか……? 胸とか、その、アソコとか、触らなくて……?」
できるだけ慎重に、美咲の緊張をほぐすように……と意識していると、美咲が幸太郎の心情を見透かしたように気を遣ってくれた。嬉しくなって、緊張の糸がほわりとゆるむ。
「……先輩の身体をじっくり味わいたいんです」
緊張をほぐすためにと直接的な表現を避けた結果、なんだか変態みたいになってしまった。美咲がくすりと笑い、温かな目で見つめてくる。
「……コータロは優しいな。ヘンタイみたいだけど」
「後半はいらないです……」
「事実だからしょうがないだろ? あんっ……」
ちょっと凹みながらも美咲の身体をゆっくりと撫でる。肉感的な肢体の強張りがほぐれ、柔らかくなっていく。
「あっ、ふわぁっ、はぁうぅっ、んんん……っ」
小さな耳、すべすべの頬、ぷるぷるの唇、細い首、綺麗に浮き出た鎖骨……と指をすべらせていく。腋をまさぐると、美咲が薄い唇をキュッと引き結んだ。くすぐったいのか感じているのか、いまいち判別がつかない。
このあとはどうしようか……と迷っていると、美咲がうっとりと紅潮した顔で見つめてきた。
「コ、コータロぉ……もう、触っていいからぁ……っ。なんか、ジンジンするんだよぉ……っ」
「……っ、……わかりました」
美咲が自分の乳房と幸太郎を交互に見つめ、懇願するように囁く。理性をたやすく溶かすような糖度たっぷりの声。普段の理知的な声も好きだが、だからこそ今の蕩けた声とのギャップにくらくらしてしまう。
そろりと指を伸ばし、ブラの上から柔らかな膨らみに触れた。
「ふわぁぁ……っ? あっ、ぅあっ、あはぁぁ……っ」
ほんの少し指を沈めただけで、極上の柔らかさだと一発でわかる心地良さ。美咲の反応も格段に跳ね上がり、内ももをきゅっとすり合わせて瑞々しい肢体をびくびくと震わせている。
「美咲先輩、痛くないですか?」
「ん、大丈夫……もっと好きなようにしていいから……あっ、あはぁぁ……っ」
十本の指でブラの上をさわさわとまさぐると、美咲の表情から理性が溶け落ちていく。幸太郎の指を食い入るように見つめ、顔の横でシーツを掴み、唇を引き結んでは開くのを繰り返す。
「コ、コータロ……おつゆ、いっぱい出てるぞ……? 興奮してんのか……?」
「美咲先輩が本当に可愛くて色っぽいから、こうなっちゃうんです」
美咲のぷにぷにしたお腹にぽたぽたとカウパー液が滴る。幸太郎の返事に薄い唇をもにょもにょとさせた美咲が、我慢汁にそっと触れた。お腹と指の間に引く透明で卑猥な糸に、美咲の細喉がこくりと鳴る。
「美咲先輩、すごく柔らかいです……」
「あっ、あんっ、いちいちっ、言わなくてっ、あっ、ふぁっ、はぁっ、んくぅぅぅ……っ!」
ブラからはみ出た柔らかな乳肉に触れると、美咲の嬌声がいっそう糖度を帯びた。信じられないほど柔らかいのに、指を離せばぽよんと戻ってくる。極上の感触に身体中が愉悦で包まれる。
「あっ、んんっ、コータロっ、いいっ、それっ、すっごく、好きっ、かもっ……あっ、んくぅぅ……っ」
美咲が幸太郎の手に自分の手を重ね、口を半開きにして熱っぽく見つめてくる。小さな手に力がこもった。もっと強くしてもいいのか……? と思い、開いた手にぐっと力を込める。
「あふぁぁぁっ!? はぁっ、あっ、あっ、ふあぁぁぁ……っ!」
「美咲先輩、痛くないですか? 大丈夫ですか?」
「んくぅぅ……コ、コータロ、それっ、心配してるヤツのさわりかたじゃっ、はぁうぅ……ないだろ……っ!?」
ブラからはみ出した乳肉を波打たせながら尋ねると、美咲が艶めかしく身をよじらせながら抗議してきた。
「コータロのスケベ、ドスケベぇ……あっ、はぁぁぁ……あっ、あっ、あっあっあっあっ……」
半開きの口からかすかによだれを垂らしながら、美咲が小さな手で凶悪に勃起した肉幹を掴んだ。後輩のねちっこい愛撫をたしなめるかのようにすりすり、すりすりと竿を撫で、すべすべの手のひらで亀頭を撫で回す。幸太郎が腰をがくがくと揺らすと、美咲が紅潮した顔ににひっと笑みを浮かべた。
「なんだ、コータロもっ、あんっ、感じっ、んんっ……やすいんじゃないか……あっ、はぁぁぁ……っ」
蠱惑的に微笑みながらも色っぽく喘ぐ美咲にぞくぞくが止まらない。美咲は勃起肉をまさぐりながら、腰をくいくいと跳ね上げてきた。まるで肉幹に女性器をこすりつけようとするかのような艶めかしい動き。
「下も触っていいですか? いや……触りますね」
「へぁ……ふあぁぁっ!?」
美咲の内ももを掴んで両脚をかぱりと開くと、ふにゃりと脱力していた美咲が可愛らしい悲鳴を上げた。
「やっ、やめっ……やだぁ……っ!」
美咲の制止を気にもせずに下腹部にぐっと顔を寄せて凝視する。可愛らしいフリルのついたピンクのショーツのクロッチには大きな染みが広がり、淫猥な縦の筋が浮き上がっていた。
「うわ……これ、濡れてるんですよね? それになんだかやらしい匂いがする……」
すんすんと鼻を鳴らすと、濃厚な甘酸っぱい匂いが鼻腔を浸した。
「う~!? う~、うぅぅぅ……っ! やめろやめろやめろぉ……っ!」
両手で幸太郎の髪をぐしゃぐしゃとかき回してくる。泣きじゃくるような声の割にさほど力はこもっていない。
ぐっしょりと濡れたクロッチに指を押し込むと、美咲のおとがいが跳ね上がった。
「んくぅぅっ!? あっ、うぁっ、やっ、そこっ、だめっ、なんでっ、こんっ、なっ、はぁうぅぅぅ……っ!」
これまでの愛撫でよほど高まっていたのか、美咲の反応は尋常でないほどに激しい。どこか動物的な匂いも感じさせる喘ぎ方に、嗜虐心が次々と湧き出してくる。
指の腹で卑猥な縦筋をなぞり、爪でかりかりとひっかく。
「あぁぁぁっ、だっ、だめっ、コータロ、コータロぉ……ひぃんっ! ひっ、ひぅぅぅぅっ!」
美咲の腰が壊れたように上下動を繰り返し、ショーツの染みがじわじわと広がっていく。
牝の匂いはさらにいやらしく香り、幸太郎の肉茎は今にもはちきれんばかりに勃起していた。
爪で軽くひっかく場所を徐々に上にずらしていくと、美咲の反応がひときわ激しくなる場所があった。
「ぅはぁうぅぅっ!? だめ、そこ、クリ、クリだからぁっ、さわるなっ、さわんないでっ、おねがい、おねがいだからぁ……っ!」
美咲がいやいやと首を振る。どこまでも嗜虐心を煽る反応。しかも本人の自覚がないことが恐ろしい。
「美咲先輩、クリ、感じるんですね?」
「ひぃっ、ひぃんっ……うん、すっごく、感じる……」
「じゃあ、いっぱい触りますね」
「ひぁぁんっ!? だめ、だめだめだめだめ……あふぁぁっ! はぁぁぁぁっ!」
美咲の嬌声に獣性が混じっても、クリトリスの上を容赦なく、執拗にひっかく。少しずつ圧を強め、美咲の反応が最も高まる強さを探る。
「美咲先輩、顔、隠さないでちゃんと見せてください」
「やだぁぁ……っ」
「見せてください」
「……あぅぅぅぅ……っ」
小さな手をどけると、美咲は顔を真っ赤にして泣きじゃくっていた。庇護欲がそそられるのに、もっともっといじめたくなる。
「脚も開いたままですからね。続き、いきますよ」
「ひぃんっ、ひぐっ、んくぅぅぅ……っ!」
美咲が顔の横のシーツを掴み、まるで感電したかのように身体をびくびくと跳ねさせる。目尻に涙を溜めながら幸太郎を見つめ、目が合うと反応がよりいっそう高まる。
(なんだろう、すごく楽しい……)
自分がこんなにSだとは思わなかった。美咲を見ていると、自然と口が、指が勝手に動く感覚。美咲が感じてくれているのが嬉しい。泣きじゃくりながらもねだるように下腹部を押し付けてくる仕草が愛おしい。
もっともっとめちゃくちゃにしたくなる。
「あっ、あっ、あっ、あっ、だめ、だめ、もう、もう……っ」
「もう、なんですか?」
「イっ……イクっ、イっちゃうからぁ……っ」
「いいですよ、イってください」
「あっ、やっ、あっ、あっ、はずかっ、しぃっ、あっ、やんっ、こするなっ、ひっかかないでっ、腰っ、止まんなっ、あっあっあっあっあっ……んはぁぁぁぁっ!!」
汗ばんだ肢体が限界を迎えた。ばね仕掛けのように跳ね上がった腰が、がくがくと激しく痙攣する。目の前でピンクのショーツにじゅわりと染みが広がった。まるでおねしょをしたかのような大量の愛液。
重力を思い出したかのように腰がくたりと落ちると、美咲は呼吸を荒らげながら可愛らしく睨んできた。
「はっ、はひっ、はっ、はぁぁぁ……コ、コータロの、ばかぁ……っ」
美咲が泣き声で囁き、両腕を伸ばしてくる。応えるように上から覆いかぶさって唇を重ねると、美咲は肉幹をまさぐりながら小さな舌を絡めてきた。
「んちゅっ、れるっ、はぷっ、ばかぁっ、んふぅぅ……へんたいぃ……れる……っ」
熱い吐息と、咎めているのか甘えているのかわからない囁き声が心地良い。
「……嫌でしたか?」
唇を離して確認する。気持ち良くなってくれていたのは間違いないが、だからといって美咲が不快な思いをしていないとは限らない。幸太郎の質問に美咲は目をぱちくりとさせ、拗ねた顔をぷいと逸らした。
「……その聞き方はずるいぞ」
「わかりました。じゃあ引き続き、美咲先輩がいっぱい気持ち良くなるように頑張りますね」
「……その『頑張る』っていうのは、今みたいに意地悪な責め方をするってことか?」
「今みたいなのも含まれる、って意味です。美咲先輩が感じる顔をもっとたくさん見たいので、その目標が達成できるならなんでもしますよ」
「……コータロ、一気に成長しすぎだろ……男ってこういうもんなのか……?」
美咲が「むぅ……」と頬を膨らませる。小動物みたいな仕草は死ぬほど可愛らしいけれど、会話している間も肉幹をさわさわとまさぐるのはちょっとエッチすぎると思います。
「美咲先輩、脱いでもらっていいですか?」
美咲は小さく頷くと、「にしても、ほんとにおっきいな……」と呟き、なぜか両頬をぷくぷくと膨らませながら、まるで讃えるかのように勃起した肉茎をすりすりと撫でた。
美咲が女の子座りになり、背中に両手を回す。カチッ、という音とともに、汗でしっとりと湿ったピンクのブラがはらりと落ちた。
目の前の光景に幸太郎は目を見開き、身体がぶるりと震えてしまう。
「あ、あんまり見んなよ……っ」
美咲は顔を真っ赤にしながらも、手は胸の上に重ねてきちんと見せてくれていた。
小さな背丈からは想像もつかないほど大きくて柔らかそうな乳房。美咲が身じろぎするたびにふよんと揺れるが、瑞々しい乳肉は垂れることなく形を保っている。
乳輪と乳頭は綺麗な薄桜色でどちらも大きく、絶頂の余韻が残っているのかぷっくりと膨らんでいた。
「本当に綺麗です。本当に……っ」
幸太郎がからかうつもりなど一切なしに褒めてくるのがよほどむずがゆいのか、照れながら身をよじって小声で唸る仕草が可愛らしい。
「下も脱ぐぞ……どうせ、がっつり見るんだろ?」
「はい、もちろん」
「……はぁ、可愛い後輩だと思ってたら、とんでもないケダモノだった……」
「嫌ですか?」
「うんにゃ、ぜんぜん」
美咲が即答した自分にハッとして、乳房を晒したとき以上に顔を赤くする。抱きしめて押し倒したくなった。
ほ、ほら、どいたどいた……と照れ隠しをするようにしっしっと手を振り、ベッドの上に立ち上がってショーツをずり下ろす。ぴったりと閉じた脚に見える繁みにごくりと喉を鳴らした。
「うぅ……」
幸太郎のことをちらちらと見ながら泣きそうな声で唸り、ゆっくりとショーツを下ろしていく。太ももからひざ頭を通り、足首から引き抜いた。ふたたびあお向けになり、そっと脚を開く。
喉から出かかった感嘆の言葉が、濃密な牝の匂いに鼻腔を貫かれて遮られた。
「ちょ、ちょっと、コータロ、ほんとに見すぎだぞ……っ?」
美咲の声が震える。しかし幸太郎は惚れた先輩の声にさえ反応できないでいた。
ぷっくりと膨らんだ肉厚の陰唇はぴったりと閉じている。ウブな女性器の内側から溢れた愛液が、ふっさりと生えた陰毛をねっとりと浸していた。
「さ、さっきイったからこうなってるんであって、普段はこんなエッチなことになってないからな……?」
言い訳さえも可愛らしい。
「美咲先輩、何ていうか……ありがとうございまいてっ」
頭をぺしんと優しくはたかれた。そのあとは忘れずにすりすりと撫でてくれる。
「……ほら、どうぞ」
美咲がふたたび顔の横のシーツを握る。自分にすべてを委ねてくれているのが嬉しくてたまらない。
「わかりました」
こくりと頷き、美咲に跨る。ぷるんと揺れる乳肉を下から掬うように揉むと、少し強張っていた美咲の表情が一気に蕩けた。
「ふぁぁぁっ……あっ、あんっ、んっ、んふぅぅ……あっ、あっ、あはぁぁ……っ」
十本の指で慎重に柔肉をなぞり、ふよふよと波打たせる。
「んっ……くぅ……はぅっ、ぅうっ、んふぅぅぅ……っ」
どの愛撫でも美咲は甘ったるい声を漏らし、身をよじりながらうっとりと見つめてくる。もっともっとと促すように、猫っぽい瞳が劣情でじっとりと濡れている。
「自分でするときもこんな感じなんですか?」
「んっ……いや、ある程度気持ち良くはなるんだけど、こんなに感じたことはないな……」
「なんか、嬉しいです」
「……コータロのドヘンタイ」
「あれ?」
可愛らしく罵られた。目を合わせ、くすりと微笑み合う。
ふたたび乳房に指を這わせると、美咲は背すじをくんと反らしてか細く震えた。
「あっ、あんっ、あぅ……コータロのさわりかた、気持ち良すぎて……なんかもう、何されても感じてる……」
「じゃあ、ここを触ったらもっと感じますか?」
「ふあぁぁっ!?」
ぷっくりと膨らんだ乳頭をそっとつまむと、美咲の嬌声が一段甲高くなった。
「ひっ、んくぅ……そっ、そこ、好き、すご……あっ、はぁぁぁ……っ」
美咲の猫撫で声が耳朶に入り込み、脳まで浸す。指の腹でしゅるしゅるとしごくと、美咲は腰を悩ましくくねらせ、かくかくと卑猥に揺らした。
「あっ、うぁっ、コ、コータロ、コータロ……っ」
「美咲先輩……本当に可愛いです」
「くひぃんっ!?」
乳頭にちゅっと吸い付くと、美咲がとっさに幸太郎を抱きしめた。
「ひんっ、ひぃん……あっ、やぁぁ……舌ぁっ、ぐりぐり、するなぁ……っ! あっ、はぁぁぁ……っ」
幸太郎の頭と背中をさすりながら腰をくねらせ、雄々しく反り返った肉槍の裏スジに陰毛をこすりつける。
淫靡な仕草にぞくぞくしながら、乳頭を舌でぐりぐりと押し込んだ。愛液で玉袋が濡れる感触がたまらない。
「コータロ……コータロ……っ。こっちも、ねえ、こっちもぉ……っ」
「……っ。……わかりました」
美咲が泣きじゃくりながら腰を振り、切実なおねだりをしてくる。加速度的に色っぽく、そして被虐的になっていく先輩に見惚れ、もっともっと新しい面を見たくなる。
上体を起こすと、美咲の内ももを掴んで両脚をぱっくりと開いた。
「ひゃあぁぁっ!?」
可愛らしい悲鳴とは対照的な、ぐっしょりと濡れたいやらしい女性器にごくりと喉を鳴らす。むわっと香る大人の牝の匂いにくらりとした。
生々しい肉芽は皮をかむっていた。どのように触れるのが適切なのかわからないので、いつかネットで見聞きした知識を手繰り寄せる。肉豆の左右に置いた指をそっとずらしてみると、ぷりん、と鮮やかな淡紅色をしたクリトリスが顔を出した。意外なほどに大きな肉真珠。
「くひぃぃんっ!?」
そっと撫でると、わずか数ミリの指の動きからは考えられないほどの反応を美咲が見せる。たっぷり潤んだ粘膜がさらにぐっしょりと濡れる。美咲の愛液はどこかクセのある匂いだが、嗅げば嗅ぐほどに夢中になっていく。背筋に走るぞくぞくが止まらない。
そっ、そそっ、と筆を這わせるかのように、指の腹でクリトリスをこする。
「んくぅぅ……はぁうぅぅ……っ! あっ、あっ、これっ、良いっ、すっごい、気持ち良い……っ!」
美咲の整った顔から徐々に理性が薄れていく。不安を抱きながらも、幸太郎の指先に全神経を集中させ、全身を焼く快楽に身を委ねているような表情。
「イキそうだったらいつでもイってくださいね」
憧れの先輩が自分を信じてくれていることが嬉しくてたまらない。優しく囁くと、美咲がこくこくと愛らしく頷く。
「んっ、わかっ、たぁ……あっ、やぁっ、だめっ、これっ、イクっ、すぐイクっ、イっちゃうっ、コータロ、コータロぉ……イク、イク、イクイクイクイク……はぁうぅぅぅっ!!」
美咲の細喉が爆ぜる。幸太郎の頭をとっさに掴み、すべすべのお腹を跳ね上げて絶頂に達した。内ももがビクビクと引き攣り、シーツに大量の愛液が染み渡る。
「……ここ、指なら入りますか?」
「はっ、へぁ……っ? あっ、ぅあうぅぅ……っ!?」
美咲がへろへろになっていることは百も承知だが、もっと淫らに喘ぐさまを見たいという欲求が勝った。手のひらを上にして右手中指を膣口にあてがうと、たっぷりと潤んだ膣肉は幸太郎の指をたやすく咥え込んだ。
「んくぅぅ……っ!? はっ、ひぁっ、コータロの指、入ってぇ……っ! あっ、あぁぁ……っ」
「美咲先輩、痛かったらすぐ言ってください。……すごい、キュウキュウって締まってくる……」
「言うなバカぁ……っ。あっ、やっ、指ぃっ、ごつごつしてるぅっ、奥っ、までっ、んはぁぁぁ……っ」
淫靡な悶え方をじっと見つめながら中指を挿入していくと、いつの間にか根元まで入っていた。初めてとは思えないほどスムーズな指の挿入。
「美咲先輩、痛くないですか? 動かしても平気ですか?」
「あんっ、んっく、ふんん……っ! う、うごかしながら言うなぁ……っ。だっ、だい、じょうぶ……だからぁ……っ。ゆっくりっ、ひんっ、うご、かして……あっ、あっ、あっ、あはぁぁ……っ」
指の腹でくにくにと膣内のヒダをなぞるごとに、美咲の腰が妖しくうねる。凛とした顔がだらしなくゆるみ、口は力なく半開きになっていた。
「うぅぅ……うぅぅぅ……っ。なんだよ、なんなんだよこれぇ……っ。もう、いつでもイっちゃいそうだぞぉ……ふぁぁんっ!? あっ、あっ、それっ、すごっ……んくぅぅっ!」
右手中指を根元から曲げて膣肉をぐいぐいと押し込むと、美咲の白いお腹が波打った。
「これ、気持ち良いんですね? じゃあ、クリと一緒に……」
「ひぃぃんっ!? んっく、だめっ、一緒はだめっ、ほんと、ほんとにっ、おかしくなるからぁっ、おかしっ、おかしくなるぅ……っ!」
美咲は白皙に珠のような汗を浮かべながら、まるで極寒の地に放り込まれたかのようにカチカチと歯を鳴らす。怖いくらいの感じようだ。
「美咲先輩、イキそうなんですね? いいですよ、思いきりイってください……っ!」
悪寒にも似た興奮の波が全身を駆け抜ける。決して乱暴にしないように気を付けながら、柔らかくほぐれた膣肉とぷっくりと膨らんだクリトリスをいじめる。まるで水を吸ったスポンジを押し潰したかのように愛液が溢れ出し、美咲の綺麗な顔が涙でくしゃくしゃに歪む。
「うん、イク、イク、思いっきりイっちゃう……っ! あっ、あっ、あっあっあっあっ……ぅあぁぁっ!? はぅぅっ、んはぁぁぁぁ!!」
見えない手に弾かれたように美咲のおとがいが跳ね上がり、むっちりとした太ももが幸太郎の右手を挟み込んだ。膣内は右手中指を押し潰さんばかりにきつく締めつけ、幸太郎の手首まで垂れるほど大量の愛液を噴き出す。加えて、ぶしゅ、ぢょろろろろ……っと、まるで失禁したかのような激しい潮吹き。
「ひぐぅぅっ!? だめっ、今イって、イってるからぁ……っ! 指動かすな、吸い付くなぁ……っ!」
愛おしさと同時に蹂躙欲求も湧き上がり、いまだに収縮を続ける膣肉を愛撫しながら張り詰めた乳頭に吸い付いた。空いている乳頭は左手でにちりとつまみ、強すぎるくらいの刺激を三点同時に与える。美咲は幸太郎の頭を抱きしめ、切羽詰まった嬌声を漏らし、ひたすら痙攣を繰り返した。
「はぁ、はっ、はぁ、はぁぁぁ……っ」
絶頂しながらも数分に渡って愛撫され続け、幸太郎が指と舌を離す頃には、美咲はぐったりと脱力していた。
「……コータロ、お前、ドSだな」
「そういう美咲先輩はドMですよね」
「……需要と供給の一致、ってやつか」
「……そうかもしれませんね」
力の抜けきった先輩を抱き起こし、あぐらをかいた自身の股ぐらへ向かい合わせに座らせる。すると美咲は、幸太郎の背中に脚を巻きつけて密着してきた。
「んっ、んむふぅ……ちゅるっ、れるっ、はぷっ、……この、ドスケベ、鬼畜、ドヘンタイ……あっ、んぁっ、ふぁぁ……っ」
美咲が唾液をまとった舌を絡ませながら、猫撫で声で罵ってくる。肉幹を両手ですりすりとさすり、待てと命令された大型犬のようにだらだらと溢れたカウパー液を、竿の根元まで塗りたくっていく。お返しに乳頭をくりくりとつまむと、猫っぽい目がとろんと甘く蕩けた。
「……コータロのこれ、もう爆発寸前って感じだな」
「……そうですね。あ、『これ』じゃなくて、もっとはっきり言ってもらえますか?」
「……なんで?」
「そのほうが興奮します」
「……正直すぎるだろ……」
咎めるように幸太郎の鼻を唇であむあむと咥えてきた。可愛すぎて気絶しそう。
「……コータロのおちんちん、もうがちがちだぞ? ……って、なんでまたおっきくなるんだよぉ……っ」
「不可抗力ですよ……」
めいっぱい照れながら可愛らしく淫語を口にされて、興奮しないわけがなかった。
「美咲先輩。挿れていいですか?」
「ん。どんとこい」
近所のコンビニに買い物に行くかのような軽いやりとり。美咲は頬をほんのりと朱に染めて微笑むと、顔を上げて唇を重ねてきた。
× × ×
いざ挿入、となった段階で幸太郎がハッとした。
「美咲先輩、すみません。俺、ゴム持ってないです……」
女性経験どころか告白したことさえないヘタレだったので、そんな気の利いた用意などしていなかった。オリエンテーションの日に一目惚れした先輩とわずか数日でこんな関係になるなどと予想できるわけもないよな……と心の内で情けなく言い訳をする。
対して美咲は、目をぱちくりとさせると、
「ん~……ま、いいだろ」
あまりにもあっさりと、とんでもないことを言った。
「え!? だ、大丈夫なんですか!?」
「心配すんな、元々生理が大変でピルを飲んでるんだよ。……それに、こんだけ大きくしといておあずけはしんどいだろ?」
「うっ……」
憧れの先輩が亀頭の裏側をつんつんとつつき、にひっと微笑む。爽やかな笑顔なのにやっていることがいやらしい。そのギャップにまたくらくらしてしまう。
「……ありがとうございます」
「ん。……でもあれだ、せめて外に出すんだぞ? ぜったいな? ぜったいだぞ?」
「なんですかその『押すなよ』みたいなフリは……」
くすくすと笑い合いながら、互いの胸や性器をさわさわとまさぐり合う。会話をしている間も肉幹は硬度を保ったままで、美咲も劣情で目の下をねっとりと朱く染め上げていた。
早く貫きたいし、貫かれたい。男女の欲望が透けて見えるやりとりに、じりじりと興奮が高まっていく。
「それじゃ、いきますね」
美咲がそっと脚を開き、内ももに手を添え、いやらしい匂いを漂わせる女性器を割り開く。幸太郎がひざ立ちになって肉槍に手を添え、女性器ににじり寄る。
「ふわっ……ほんとにおっきいな。こんなに太いのがアタシの中に入るのか、ほんとに?」
小陰唇にぴとりと突き付けられたたくましい肉槍の感触に、美咲が汗ばんだ肢体をぶるりと震わせる。
「入りますよ。というか、入れます。入れて、美咲先輩にもっとめちゃくちゃに乱れてもらいますから」
「…………っ」
美咲の腰がひくりと揺れ、小さな膣口が歓迎するかのように鈴口へちゅっと吸い付いた。
ふたりの喉が同時に鳴る。
美咲と目が合う。不安と期待を宿した綺麗な瞳が揺れ、初めての男を受け入れようとこくりと頷いた。
「いきます……っ」
「んぁ……はっ、はぁぁぁぁ……っ」
ゆっくりと腰を押し進めると、朱く膨らんだ亀頭が膣口につぷりと呑み込まれた。
(あつ……っ。それに、すごくキツい……っ)
信じられないほどの熱をまとった膣肉がぎちぎちと締めつけてくる。今まで体験したことのない快感を伴う圧迫感が、入り込んだ亀頭へ容赦なく襲いかかる。
「美咲先輩、大丈夫ですか?」
「んっく、ふっ、んんっ……だ、大丈夫、だぞ……でも、ゆっくり入れてくれるとありがたいかも……」
「わかりました」
美咲が気遣ってウソをついてもわかるように、じっとりと汗の滲んだ顔をしっかり見つめながら腰を進める。
「んはぁうぅぅぅ……っ」
ずぶ、ずぶ、ずぶぶ……っと肉槍が埋まっていくにつれ、美咲の表情から余裕が消えていく。めいっぱい勃起した男性器がキツくキツく食い締められる。
「ふわっ……? あっ、あんっ……」
少しでもリラックスしてもらえるようにと柔乳に手を添えると、美咲の強張った声にほんのりと糖度が混じった。ゆっくりと肉槍を侵入させながら、柔らかな乳肉をふにふにと触り、膨らんだ乳頭を丁寧に撫でさする。
「はっ、はぁぁっ、コータロ、コータロぉ……っ」
美咲が幸太郎の手を握り、整った眉を切なげにくにゃりと曲げた。庇護欲をそそる表情。可愛らしい顔いっぱいに滲んだ不安を少しでも和らげたい。乳房をまさぐり、髪を撫で、耳をくすぐり、唇を重ね、舌を絡める。
しばらくすると美咲の表情が和らぎ、膣肉が柔らかくほぐれてきた。肉槍の挿入がスムーズになっていく。
「はぁぁ……っ、コータロのおちんちん、あつくて、かたくて、ふとくて、おっきぃ……っ」
「……っ」
猫撫で声で囁かれ、肉槍がぎちぎちと張り詰める。美咲がリラックスしてくれているのが嬉しい。わずかに腰を進めるごとに漏れるふやけた嬌声を聞きながら、たっぷり数分かけて肉茎の根元まで埋め込んだ。
「美咲先輩、根元まで入りましたよ」
「ほ、ほんとか? コータロのおちんちん、ぜんぶ入ったのか……?」
どこか幼げな声音なのに、さらりと卑猥な単語を口にするようになっているのがたまらない。
「しばらく動かさないほうがいいですか?」
「ん……そのほうがいいかも。んっ!」
美咲が両手を幸太郎に向けて広げてくる。どうやらくっつきたいということらしい。
可愛すぎるだろう……と思いながら覆いかぶさって抱きしめると、柔らかな乳房がふにゃりとひしゃげた。
「ふふ……っ」
「どうしたんですか?」
「んー? なんか幸せだなーって。……なんでおっきくなったんだ、バカ」
「うぐ……っ?」
脳が蕩ける言葉に反射的に肉幹が膨らむ。すると叱るように根元をきゅっと締めつけられた。エロいにもほどがあるたしなめ方だ。
「ちょっと感覚がわかったかも。ほれ、ほれ。こうか、こうか?」
「うっ、うわっ、ちょっ、美咲先輩っ、それ、やば……っ」
いたずらっぽい笑みを浮かべながら、肉槍の根元、真ん中、切っ先を順に締めつけてくる。きゅむ、きゅっ、きゅむっ。心地良い締めつけに肉槍がひくつき、先走り汁がぶびゅっ、びゅるるっと噴き出してしまう。
「美咲先輩、けっこう余裕ありますね。よく見たら血も出てないですし」
「んー、そうかも。みんながみんな出るってわけじゃないみたいだしなー。……コータロにたっぷり気持ち良くしてもらったから、ばっちりほぐれたのかもな。……って、だから、なんですぐぴくぴくするんだよぉ……」
「不可抗力ですって……」
無意識に次々と男心をくすぐる言葉によって、肉槍はどんどん硬さと太さを増していく。
「コータロ、もう動いていいよ。……ふたりで、気持ち良くなろ?」
「……はい」
慈母のような柔らかい笑みにくらりとくる。唇を重ねると、頭をぽんぽんと撫でながら舌を絡めてくれた。
「んふぅぅ……っ? んっ、んふぅっ、うぁっ、あんっ、んふぅぅ……っ」
身体を密着させたまま、ゆっくりと腰を揺すり始める。肉槍を引き抜こうとすれば名残を惜しむように心地良く食い締め、挿入すれば奥へ奥へと引きずり込むように収縮する。腰を止めている間に美咲の膣内が肉茎に馴染んだのか、抜いても差しても気持ち良くてしかたがない。
「んふぁっ、はっ、はぁぁ……っ。コータロ、気持ち良いか?」
「んっ、くぁっ……はい。すごく気持ち良いです。美咲先輩は?」
「ん、アタシも……はぁぁっ、……すーっごい気持ち良い」
薄い唇を耳にぴったりとくっつけて囁き、ねろりと舌を這わせてくる。
「やんっ……おっきくなったぁ……」
「美咲先輩……いいんですか? そんなエロい挑発をしたら、めちゃくちゃにしちゃいますよ?」
「お~? やんのか~? やれるものならやってみふぁぁぁっ!?」
ずんっ! と力強く突き入れると、美咲が金魚のように口をぱくぱくとさせた。婀娜やかな身体がぶるぶると痙攣し、幸太郎の背中を抱きしめる手に痛いくらい力がこもる。
「せっかく挑発していただいたので、めちゃくちゃにしてあげますね」
「あ、やっぱタンマ。けっこうやばいかも……ひぐぅぅっ!?」
上体を起こし、小さな腰に手を添えてぐっと持ち上げる。快感から逃れる術を封じた状態で、がつんがつんと力強い抽送を始めた。
「んくぅぅっ! ひっ、はぐぅ……っ! あっ、かはっ、やっ、やめっ、おねがいっ、これ、だめぇ……っ!」
「痛いですか? 痛かったらごめんなさい、すぐにやめます」
「ちっ、ちがっ、ちがくてぇ……っ」
「痛くないなら気持ち良いんですね? じゃあ続けます」
「そ、そんな……ひぃぃんっ!?」
美咲の両手がふわふわと宙を泳ぐ中、ずんずんと腰を突き入れる。美咲が痛がっていないことは聞かなくてもよくわかっていた。膣肉は初めて挿入したときの強張りが消え、代わりに柔らかくほぐれて愛おしむように肉幹を包み込んでいたからだ。それでも美咲が慌てるさまが見たくて、ついいじめてしまう。
ずちゅっ、ぢゅっ、にゅぐっ、にゅこっ。
「あっ、かはっ、んくぅぅ……はぅぅぅっ!」
美咲の声から正気が薄れ、獣性が入り混じる。結合部が白く泡立ち、艶めかしい肢体が絶えず痙攣する。
「あっ、やぁっ……イク、イク、イク……んはぁうぅっ!」
美咲の両脚がビンとV字に伸び、大量の愛液が溢れ出る。おとがいが跳ね上がり、白い喉が覗いた。
「美咲先輩、イったんですね。すごくエロいです……っ」
「あっ、かはっ、はひっ、とめっ、とめてぇ……っ」
半開きになった口から小さな舌がだらしなく伸びる。美咲は全身脱力状態にありながらも膣ヒダを強烈に収縮させ、腰をくいくいとこすりつけてきた。
「ぐぅ……っ、やめてほしいのか、続けてほしいのか、どっちなんですか……っ!」
もし美咲の体力が底をつきそうであれば、いくら気持ち良くなってくれていてもすぐにやめようと思っていた。けれど、今の美咲は言動と挙動がまるで噛み合っていない。結合の快感に震えながら混乱する。
「やらぁ……っ、とめ、とめてぇ……っ」
美咲が円を描くように腰をくねらせることで、挿入するたびに違う角度から締めつけられる。これまで何とかこらえていた射精衝動がむくむくと込み上げてきた。
「くぁ……っ、美咲先輩、もう、出る、出ますよ……っ!」
「へぁぁ……っ? コータロ、出すのか? 中、だめ、だぞぉ……? ぜったいにぃ……っ」
「うぐっ……!?」
美咲が掠れ声で囁きながら、両脚を幸太郎の腰に巻き付けた。決して逃がさぬとでも言いたげな体勢になった上で、ぷっくりと膨れた恥丘を遠慮なくぐりぐりとこすりつけてくる。
「み、美咲先輩!? まずいですって! このままじゃ中に……っ!」
「ふぁぁぁ……そうだぞぉ……中は、だめだぞぉ……っ?」
可愛らしくふやけた笑みを浮かべ、幸太郎の手をすりすりと撫でながら腰を振るさまにぞくぞくする。
「この……っ!」
被虐的なのに、蠱惑的。女性としてあまりにも濃密な魅力が詰まった美咲をどうにかしたくて、上から覆いかぶさってきつく抱きしめた。一撃一撃に力を込め、破城槌のように突き入れる。
「あっ……かはっ……!? あぇっ、へぁっ、コータロ、これ、しゅご……はっ、はぁぁぁ……っ」
幸太郎の太い腕できつくきつく抱きしめられ、美咲が恍惚の笑みを浮かべる。半開きになった口から溢れたよだれがあごを伝う。本来ならみっともないと思うはずの光景が、愛おしくて、色っぽくてしかたがない。
「コータロ……コータロぉ……っ。おちんちん、すっごい膨らんでるぞ? 出すときはぁ……ひゃんと、外に出すんらぞぉ……っ?」
脱力しきった声音で楽しげに囁きながら、細い四肢できゅっと抱きしめてくる。だからどっちなんですかとツッコむ余裕もない。今はもう、後先考えずに美咲の中に注ぐことしか考えられない。
「美咲先輩、もう、出るっ、いいですか、思いきり出しますよ……っ」
汗だくの肌をこすり合わせながら囁く。もはや限界寸前だ。
「へぁぁ……んっ、あはぁぁ……いいよ、らひて、らひてぇ……っ」
美咲が恍惚に蕩けきった笑みを浮かべ、薄い唇を重ねてくる。身体の隅から隅まで密着し、これ以上ないほどの幸福感に身を焼かれながら子宮口に亀頭を押し付ける。その瞬間、今まで経験したことのない強烈な射精の予感がして、濃厚な精液が狭い尿道を我先にと駆け上がってきた。
いったいどれほど出るのかと恐怖するほどの感覚。めいっぱい美咲に唇を押し付け、ぎゅっと眉をひそめた。
「ぐぅぅぅぅ……っ!!」
「んきゅぅぅぅぅ……っ!?」
どぶっ、ごびゅっ、びゅぶりゅっ、ごぶどびゅるるる……っ。
まるで巨人に腰を掴まれて揺すられるかのような衝撃が下腹部に走り、美咲の子宮におびただしい量の精子が注がれる。脈動するたびに自分の魂まで削られていくような感覚。
あまりの快感に腰を引いてしまいそうになるが、美咲が両手両足に力を込めてきつくきつく抱きしめてくることでそれも叶わない。
膣肉が嬉しそうに収縮し、肉幹を美味しそうに頬張る。ぐねぐねと蠕動して竿の根元から先端まで搾り上げる。
「……ぷはっ! はっ、あはぁぁ……コータロの精子、すごっ、あついぃ……はぁぁぁ……っ」
「うぐぅ……っ、美咲先輩、あ、あんまり動かないで……っ」
射精が終わりかけたタイミングで恥骨をぐりぐりとこすりつけてくる。くいくいと求愛するような腰の上下動で肉幹が搾られ、尿道に残っているわずかな精液も残すことなく、びゅるっ、ぶびゅるっと噴き出す。
「んふふふ……さんざんイカされたからな。お返しだ」
汗だくの顔でいたずらっぽく微笑まれ、心臓が心地良く跳ねた。
射精が終わっても、キスをしながら見つめ合い、キスをやめて見つめ合い、またキスをしながら見つめ合った。
肌と肌を重ねる経験は互いに初めてだというのに、まるで長年こうしてきたかのようなしっくりした感覚。
(美咲先輩と、ずっとこうしていたい)
蕩けた笑みを浮かべてゆるく腰を振るちっこい先輩に悶絶しながら、幸太郎もお返しにゆるゆると腰を振った。
× × ×
「そろそろ抜きますよ」
「え、もう?」
「……けっこう、時間経ってますよ」
枕元の時計を見やって苦笑する。日付はとうに変わっていた。元々呑み会をやっていて、さらにそのあと美咲の介抱をしてから行為が始まったからだ。
いつもなら眠くてしかたがない時間だというのに、美咲と過ごす時間があまりにも濃密で充実していたため、目が冴え渡っている。美咲があお向けのまま、くいっとあごを上げて時計を見た。可愛らしい仕草。
「時計の文字が逆に見える」
「そりゃそうでしょう」
白い喉をすりすりと撫でると、「ひゃんっ?」と上ずった悲鳴が漏れた。
「コータロは隙あらば愛でようとするよな。このヘンタイ」
「美咲先輩が可愛いからです」
「……タラシヘンタイ」
「からしレンコンみたいな肩書きを付けないでください」
美咲が噴き出すも、あお向けなので自分につばが落ちてきて「ぷわぁっ!?」と変な悲鳴を漏らした。何気ない仕草もいちいち和む。モーション付きのスタンプにしたいくらいだ。
ティッシュで美咲の顔を拭き、ついでにもう一度キスをして、肉槍をゆっくりと引き抜く。ぬぽんっ……という卑猥な感触にごくりと喉を鳴らした。
「うーわっ……なんか、すっごいエロいな」
上体を起こした美咲が、ぱっくりと開いたままの膣口を見てポッと顔を赤らめる。汗が滲んでおでこに貼り付いた長い前髪が、ふたりで及んだ行為を生々しく実感させた。
「ふわ……っ」
ふたりで美咲の膣口に見惚れていると、たっぷりの精液と愛液の混ざり合った液体が溢れ出てきた。会陰を伝い、シーツに染みを作る。
「……ふつう、さ」
美咲が腰をひくひくさせながら、照れたような上目遣いを向けてくる。
「初体験って、もっと痛かったり、苦労したりするもんなのかなーって思ってたんだけど……」
「俺もそう思ってました」
幸太郎が頷くと、美咲が頬を赤くして幸太郎の手を取り、すりすりと撫でた。
「でも……アタシはその、びっくりするくらい気持ち良かった。アタシってこんな声出るんだーってビックリしちゃったし」
「……俺も、気持ち良かったです。美咲先輩が乱れるところ、すごくエッチはぶっ!?」
両頬を手のひらでぱちんと挟まれて間抜けな顔になる。喋らせまいとしているのだろうが、柔らかな乳肉をそっと撫でて先輩の手の力がゆるんだところで即座に続きの言葉を発した。
「すごくエッチで素敵でした」
「……ドヘンタイ、鬼畜大魔王」
すごい称号をいただいた。
「……コータロがなー、まさかあんなドSだとはなー」
「需要と供給が一致してるならいいじゃないですか。これからも美咲先輩の気持ち良いところを探っていきますので、よろしくお願いします」
「急に研究者気質を出してくるなよ……」
割と真面目にツッコまれた。
美咲がちらりと肉幹を見る。精液と愛液がまとわりついた男性器が、今も力強く反り返っている。
「コータロの……お、おちんちん、まだ、おっきいままだぞ?」
行為の最中と比べると恥ずかしいのか、照れながら淫語を囁くのがたまらない。人差し指で肉竿をつんつんとつつかれ、「うっ、うっく」と変な声が漏れた。
「コータロは……まだ、した「したいです」食い気味だなおい!?」
目を輝かせる幸太郎に、美咲は「う~……」と可愛らしく唸り、顔を逸らし、流し目をそっと送った。
肉幹をそっと握り、ぽそりと呟く。
「アタシも、その……まだ、したい」
憧れの先輩の直球極まる言葉に、細指に包まれた肉槍がびくんと跳ねた。
「美咲先輩……っ!」
「ひゃぅ……っ」
両手首を掴んで押し倒すと、美咲の内ももを自分のひざで割り開いて膣口に肉槍をあてがう。
「ま、待って、この体勢、エッチすぎないかぁぁぁ……っ!?」
有無を言わさず挿入し、愛液と精液で潤んだ膣内を肉槍でかき混ぜる。直前までの挿入感と比較しても、締めつけが増しているように感じた。
「美咲先輩、押さえつけられたほうが興奮するんですか?」
「い、いちいち口にするなぁ……んくぅぅ……っ!」
美咲がきゅっと眉をひそめる仕草がたまらなく色っぽい。
(もう一回しても……満足できるかな?)
先ほどの中出しだって、普段自慰をするときの倍はあるのではと思うほどの量を出していた。それにも関わらず力強く勃起しているうえに、もう数回は出せるのではという確かな予感があった。
(美咲先輩に無理はさせたくないから、そのつど聞くようにしよう)
「はぁっ、んっく、あんっ、はっ、はぁぁぁ……コータロ……うんん……っ」
手首を押さえつけられて悩ましげに喘ぐ美咲をじっと見つめ、感じてくれる場所を探りながらゆっくりと腰を振り続けた。
× × ×
行為を続けているうちに、気が付けば朝を迎えていた。
(結局四回も……)
己の精力と体力に驚く。中学生のときに一日三回自慰で抜いたことはあったが、そのときよりも回数も精液の量も多い。美咲と交わることにいったいどれほど興奮していたのだと、我ながら呆れてしまう。
美咲とは正常位を四回繰り返した。お互い飽きるのではと思ったが、美咲がどんどん蕩けていくさまに昂ぶるばかりだった。腰を掴んで突きまくり、ぴったりと密着して突きまくり、何度も何度も美咲の中に注いだ。
「美咲先輩、今日は予定はありますか? 俺はないので、できればこのままいったん寝たいんですけど……」
隣でぴったりとくっついている美咲に尋ねる。頭をくしくしと撫でると、明るい茶髪が汗でしっとりと湿っていた。ぽよんと柔らかな乳房が重力に従い、ふにゃりとひしゃげているさまがなんとも艶めかしい。
「ん、アタシもないぞ。そうするか。…………」
「……どうしました?」
美咲は何やら難しい顔をして歯切れの悪い返事をするが、幸太郎の問いかけにハッとして猫のような目を見開いた。限界まで眠気がきているが、美咲が浮かべた表情の理由を今しっかり聞くべきだと思った。
「……コータロは、その、ほんとに、良かったのか?」
「え? 気持ち良かったってことですか? そりゃもう最高でしたよ」
「……そういうことじゃ、なくて」
頬をむにむにとつままれる。顔を真っ赤にして逸らす仕草に悶絶した。
「……ほんとに、アタシでいいのか?」
「どういうことですか?」
「だ、だって……コータロは入学してまだ一週間くらいだろ? ……こう言うと、アタシが新入生をそっこーで食べたようにしか聞こえないな……」
「……否定はできないですね」
胸板にとすとすと頭突きをされた。ダメージを受けながらも、美咲の汗ばんだ綺麗なおでこに見惚れる。
「まだ大学生活がどんなふうになるかもぜんぜんわかんないだろ? いっぱい楽しみもあると思うんだ。たとえば引きこもりが趣味で、ネットショッピングの宅配のお姉さんと話すのが唯一の生きがいになったりとか……」
「たとえが生々しいですよ!?」
冗談を言いつつも、美咲は本当に心配そうに、眉をくにゃりと曲げる。
「コータロだって、まだまだ遊びたいだろ……?」
優しい気遣いをめいっぱいに込めた言葉に、幸太郎は。
「……なんかその言い方、まるで結婚するみたいですね」
「んなっ」
美咲の顔が一瞬で茹だる。自分で言っておきながら幸太郎も茹だった。
いや、ばっ、そういうことじゃなくてっ、そのっ……と唸りながら胸板に頭突きをしてくる。とすとす、どむどむ。可愛いけれどちょっと痛い。自分よりも慌てている先輩を見て少し冷静になり、そっと笑みを向ける。
「何の問題もないです。一目惚れした人とこういう関係になれて、まあ本当にビックリしてますけど……それ以上に嬉しいし、幸せです」
美咲の顔がふたたび茹だる。金魚のように口をパクパクとさせている。アーモンドを差し出したら薄い唇でぱくりと咥え込みそう。
「……一晩経ちましたけど、美咲先輩は俺のこと、どう思ってますか?」
「……っ!? ……っ!」
リンゴのように赤くなった先輩がさらに慌てる。目を盛大に泳がせたものの、幸太郎が優しくも真剣な目つきをしていることに気付き、胸板にそっと顔をうずめ、上目遣いで見つめてきた。
「……その、一緒にいると楽しいし、エ、エッチしてるときもすっごい安心するし、気持ち良いし、もっともっと一緒にいたいかも……と、思いました」
なぜ敬語……と思いつつも、つっかえつっかえに言葉を紡ぐ先輩が愛おしくてしかたがない。
「……つまり、要約すると?」
「……コータロのこと、好き」
真っ直ぐすぎる言葉にがつんと頭をぶん殴られ、脳内にふわりふわりと花が咲く。
昨晩の彼女を思い起こしても、今の言葉と表情はとびきり魅力的だった。
「……ちょっと、幸せすぎてどうにかなりそうです」
「コータロは幸せすぎるとおっきくなるのか?」
「これは生理現象です……」
照れ隠しなのか、勃起した肉幹をすりすりと撫でてくる。いたずらっぽい笑みを浮かべる頬が朱い。
「……美咲先輩。俺と付き合ってもらえますか?」
「……はい……っ」
しおしおと小さな身体を縮め、幸太郎の胸板に顔をうずめてくる。両手を胸の前できゅっと握りしめる仕草に庇護欲が込み上げる。
「美咲先輩はさっき『まだまだ遊びたいだろ』って言いましたけど……ふたりでたくさん遊べばいいじゃないですか。美咲先輩だってまだ二年生なんですし。色々してみましょうよ」
「……コータロが言うと卑猥な意味にしか聞こえないな」
「卑猥な意味も多分に含みます」
肉幹をきゅっと掴まれた。薄い唇がもにょもにょと動いている。
「コータロ。今の会話で眠気がふっとんだ」
「奇遇ですね、俺もです」
くすくすと笑い合う。耳に触れると、美咲が悩ましげに身をよじらせた。
「ふぁ……っ、んっ、んっく、やぁん……んふふ……っ」
小さな耳の縁をなぞり、中に指をすべり込ませる。美咲は表情をとろんと蕩けさせながら、楽しそうにはしゃいだ。細指が肉幹にしゅるしゅると絡みつき、もどかしい快感が流れ込んでくる。
「コータロのこれ、ほんとおっきいよな……」
美咲が横を向いたまま、両手で肉茎をさする。猫っぽい目にはじっとりとした劣情と好奇心がありありと浮かんでいた。
「く……ぁ……っ、……美咲先輩、『これ』よりも良い呼び方があったと思います」
「……スケベ」
美咲が拗ねたように囁きながらも、肉幹を愛おしげに撫で続ける。先走り汁がこぷりと溢れ、「やぁん……っ」と蕩けるような猫撫で声が漏れた。
「……コータロの、お、おちんちん……すっごい硬くておっきい。わっ、わわっ、ビクッてしたぁ……っ」
美咲がうっとりとしながらもはしゃぎ、肉幹をキュッと掴む。羞恥のタガが外れ、秒針が動くたびにエッチになっていくような、そんな感覚にぞくぞくする。
「美咲先輩。これを……舐めてほしいです」
美咲の手に自分の手を重ね、肉幹をギュッと握らせる。
「ふぁ……っ?」
美咲の細喉が鳴る。首まで真っ赤にして、顔を逸らし、ちらりと流し目を送ってくる。じっと待っていると、やがて正面に向き直って上目遣いで見つめてきた。
「コータロ……アタシに、このおっきなおちんちん、舐めてほしいのか?」
「……っ、はい、たっぷり舐めてほしいです」
美咲が目を見開く。ふたたび逡巡するが、眼の下がねっとりと赤らんでいて、答えは聞かなくともわかった。
「……わかった。初めてだから、どうしたら気持ち良いか言ってくれよ?」
「わかりました。……ありがとうございます」
もう一度唇と身体を重ねる。興奮が高まっているのか、美咲の肌が先ほどよりも熱くなっている気がした。
幸太郎があお向けになって脚を開く。美咲がその間にちょこんと女の子座りになり、目の前で隆々といきり立つ肉幹にこくりと細喉を鳴らした。
「ち、近くで見ると……コータロのおちんちん、ほんとにおっきいな。まがまがしいっていうか……」
言葉だけ聞けば怯えているように思えるが、美咲はじりじりと肉槍に顔を近付けていく。反り返った肉幹の裏スジに上気した顔を寄せ、すんすんと鼻を鳴らす。
「あ……美咲先輩、匂い、大丈夫ですか? あれだけしたから……」
ふと思い出す。たっぷり交わったあと、ふたりはまだシャワーを浴びていない。けれど美咲は、幸太郎の不安を包み込むように柔らかな笑みを浮かべた。
「ん……大丈夫だぞ。……こっちのほうが興奮するし」
思わぬ返しに唖然とすると、先輩はぷるぷると可愛らしく首を振った。頬にほんのりと朱が刷かれている。
「なんでもない。……アタシ、あんま知識はないぞ? 大丈夫か?」
「大丈夫です。まずは先っぽを舐めてもらえると……」
「こ、こうか? ……んんっ……ちゅっ、ちゅぴ……っ」
美咲が長い前髪をそっとかき上げ、小さな舌をちろりと出す。鈴口にぷっくりと浮かんだカウパー液の珠を舐められると、挿入とはまた違う、今まで経験したことのない快感が下腹部に走った。
「うぁ……っ」
「だ、大丈夫かコータロ?」
「だ、大丈夫です……気持ち良いです。そのままで……」
「こ、こうか……? ちゅっ、ちゅぴっ……」
(うわ、うわわ……っ、美咲先輩が、俺のを……っ!)
長いまつ毛を戸惑い混じりに揺らしながら、美咲が朱い膨らみにちろちろと舌を這わせていく。
「んふぅぅ……なんか、変な味がするな。しょっぱいし」
「うっ、くぁっ……美咲先輩、無理はしないでくださいね」
「ん、大丈夫……ってかこれ、けっこー好きかも」
ぞくりとする言葉を囁き、こくりと細喉を鳴らす。ふたりの体液が美咲の喉奥に消えたと気付き、四肢の末端にまで甘い愉悦が走った。
「ちゅっ、ちゅぴっ、うんんっ……コータロのおつゆ、ぜんぜん止まんないぞ? コータロこそ大丈夫か? ちゅっ、ちゅるっ、はぷっ、んふぅぅ……っ」
「うっ……? あっ、ぅあっ、ちょ、そんな、吸わないで……っ」
美咲の表情には徐々に余裕が浮かんできて、対照的に幸太郎の表情が切実なものになっていく。美咲はころんとうつ伏せになると、幸太郎の肉幹の根元を両手で押さえて鈴口に吸い付いた。細い指が陰毛をしゃりしゃりとこする。綺麗な顔と血管の浮いた肉槍が並ぶ、異様とも言える光景。
「んっ、ちゅぴっ、……このおつゆって、気持ち良いから出るんだよな? ちゅるっ、れるっ、はぷっ……」
「くっ、ぅあっ、そ、そうです……っ」
「んふふふ……。てことは、コータロは今、気持ち良くてしょうがないわけだ」
美咲が猫っぽい目をにんまりと、三日月のように細める。くつろぐように足をぱたぱたとさせながら、まるで毎日の日課をこなすように平然と鈴口に薄い唇を吸い付け、透明な我慢汁をちゅるちゅると吸い込んでいく。
「あれ、出なくなった? んっ、んっ、んっ……」
「ぅあ……っ!?」
美咲が小さな舌を固めて鈴口をコツコツと小突く。まるでカッコウのような仕草。尿道に鋭い快感がびりびりと走り、青スジの浮いた肉幹がびくりと跳ねて新たなカウパー液が湧き出す。
「んふふふ~。コータロ、かーわいい。けっこー楽しいな、これ」
引き続き足をパタパタさせながら、鼻唄でも歌いそうなほど上機嫌に笑みを浮かべる仕草が強烈に魅力的だ。
「あ、あの、美咲先輩……もっと奥まで……っ」
「へぁ? ……うん」
幸太郎の言葉に、美咲の態度が変わる。少なからず戸惑いが見えた。うつ伏せのままでは呑み込みづらいと思ったのか、女の子座りに戻る。竿の根元を押さえると、前髪をかき上げて肉竿に顔を寄せた。
「んむっ……んふぅぅ……っ」
「う……おぉぉぉ……っ」
薄い唇が亀頭の先端ににゅむりと貼り付き、そのままゆっくりと呑み込んでいく。小さな口がぷっくりと膨ら
んだ男性器に満たされていく。
「んっ、ふぅっ、んふぅぅ……っ」
亀頭をすっぽりと咥え込んだ美咲が鼻息を荒らげ、陰毛が揺れる。薄い唇がにゅむにゅむと動き、溢れた唾液が竿を伝ってふたりの性液を洗い流し、陰毛を浸す。
「うぁ……っ、み、美咲先輩、そこっ、くびれのところ……もっと……うぁぁ……っ」
「んふぅぅっ……んっ、ちゅむっ、れるっ……」
美咲の薄い唇がカリ首を柔らかく締めつけ、小さな舌を這わせる。
(うわ、美咲先輩の顔、めちゃくちゃエロい……っ)
美咲が頬をすぼめ、内頬を亀頭にこすりつけている。美麗な顔が淫猥に歪むさまに思わず見惚れてしまう。
「……ぷはっ。コータロ、気持ち良いのか? おつゆ、ダラダラだぞ?」
鈴口をちろちろと舐め、上目遣いで見つめながら尋ねてくる。幸太郎の返事を聞く前に鈴口に吸い付き、肉竿の根元をこすこすと優しくしごく。
「えっと、うわ……っ!?」
気持ち良いですと答えようとしたところで、待ちきれないとでも言わんばかりに亀頭を呑み込まれた。今度は顔をゆっくりと傾けながら亀頭を呑み込み、一度顔を引き、逆側に傾けながら呑み込んでくる。どこまでが知識で、どこまでが本能に赴くままの行動なのかがわからない。
「美咲先輩……めちゃくちゃ、本当に、気持ち良いです……っ」
震える声で告げると、美咲が上目遣いで幸太郎を見つめ「んふー」と嬉しそうに鼻息を鳴らした。
「うぁっ、あっ、あっ、美咲っ、先輩っ、ぅあぁぁ……っ」
美咲の唇が亀頭を呑み込んでは口外に出すのを一定のリズムで繰り返す。竿の根元をしごき、玉袋をふにふにと触ってくる。癒される上に気持ちの良い、極上の愛撫。身体から徐々に力が抜け、くったりとしていく。
「んふぅぅ……コータロ、袋がキュッてなったぞ? イキそうなのか?」
「は、はい、もう、出そうです……このまま……」
「ん、わかった。いっぱい出してくれ……」
嬉しそうに、本当に嬉しそうにそう呟き、美咲がふたたび顔を沈める。唾液と先走りでぬらついた唇をすべらせ、ときおり鈴口を舌先でいたずらっぽく突いてくる。心地良い快感の波に、精巣から白濁が引きずり出される。
「美咲先輩……もうっ、出ます、出る、出る……っ!」
とっさに上体を起こし、美咲の頭を掴んだ。美咲が驚いて目を見開く中、狭い尿道を駆け上がる精子の感触に歯を食いしばる。
「ぐぅぅぅ……っ!!」
「んふぅぅっ!? んっく、んぐっ、ごぶっ、んふぁぁぁぁ……っ」
美咲の小さな口内で亀頭が爆ぜ、どぶっ、どぶどぶっと濃厚な精子が噴き出す。数時間前まで四度に及んだ射精を忘れたかのような量と濃さ。美咲はとっさに顔を引こうとしたが、幸太郎に頭を押さえられているためそれも叶わない。目をしばたたかせ、ぼうっと細め、肉感的な身体を震わせてひたすら精液を受け止めた。
「はぁ、はぁ、はぁ……ご、ごめんなさい……っ」
恋人の口に欲望を吐き出すことだけを考えてしまっていた。慌てて手を離すと、美咲はのろのろと肉槍から口を離す。薄い唇と亀頭との間に精液と唾液の混じった卑猥な糸が伸び、ぷつんと切れてシーツに落ちた。
「んふぁぁ……」
美咲があーんと口を開けると、どろどろの精液が舌の上に乗っていた。
「うわ……俺、出しすぎですね……ごめんなさい、今ティッシュを……」
ティッシュに手を伸ばそうとすると、美咲に肉幹をキュッと握られ「ふおっ!?」と変な声が出た。止めるなら他の動作にしてほしかった。
「ふぁいおーう」
親指を立て、綺麗な眉をくにゃりと曲げながら口を閉じる。口の中がもご、もご、と動いたかと思うと、ひと息に精液を呑み込んだ。ごくりと濃厚な音を鳴らすと目を見開き、ぶるりと震える。
「うん、変な味!」
ちょっと涙目だ。
「む、無理に呑まなくても……」
呑んでくれた嬉しさももちろんあったが、それ以上に美咲が心配だった。多くの女性が精飲などできないしやろうとも思わないと聞いたことがある。しかし美咲は初めてにも関わらず、精子を呑み込んでくれた。
「なーに、我慢汁だっけ? あれと比べるとクセが強いけど、何とかなるぞ」
ていうか、その……と呟き、肉槍をそっとさする。ぞくっとするほど艶めいた上目遣いを向けてきた。
「たぶんだけど……何回か呑んでたら、やみつきになる、かも」
肉槍をゆるゆるとしごき、潤んだ目で見つめてくる。
「コータロの身体から出てきたんだなーって思うと、その……呑めること自体、すっごい嬉しいし」
意識的なのか無意識的なのか、とんでもないことを囁いて、にへっと力の抜けた笑みを浮かべる。庇護欲と情欲の混じった愛おしさが胸の内に湧き出す。
起き上がってあぐらをかき、美咲と向かい合う。
「美咲先輩……好きです」
「……うん、アタシもコータロのこと、好き」
唇を寄せると、フェラチオの直後だからか美咲がとっさに顔を引いた。構うものかと小さな頭を抱き寄せ、唇を重ねる。ちろちろと舌を絡め、口内でちゅぷちゅぷと卑猥な水音を立てる。唇を離し、汗で濡れてしっとりとした髪をくしくしと撫でる。美咲が縁側で日向ぼっこをする猫のように目を細めた。
「美咲先輩、汗かくともっと良い匂いがしますね」
「だまれへんたいー」
「思いのほか辛辣な返し!」
言葉の割に声音は楽しそうで、ちゅっ、ちゅっとついばむような口づけをしながら肉幹をこすってくる。
「美咲先輩……」
「ん、なんだ? おー、どうしたどうした」
抱きしめて押し倒すと、美咲が楽しそうに抱きしめ返し、背中を撫でてくれた。
「美咲先輩、本当に好きです。めちゃくちゃ好きです」
「……直球すぎるだろ……反則だぞ」
でも、まあ、なんだ、その……と、幸太郎の背中をすりすりと撫でながら、しどろもどろに言葉を紡ぐ。
「えーっと……その……これから、よろしくな?」
美咲がにひっとはにかむ。ひまわりが咲いたような笑みは、生まれてから今まで見てきた笑顔の中で一番素敵だった。
「……はい、よろしくお願いします」
微笑みを交わし、唇を重ねる。
「はー、まずは寝るかー。いや、さすがに汗がやばいな……先にシャワーかな。コータロ、先に浴びてこいよ」
「お、男前……。一緒に入るのはどうですか?」
「……それはまた今度な。ぜったいエロいことするだろ」
「しますね」
「…………」
「むぉぉぉぉ」
むにむにと頬をつままれた。顔を真っ赤にした先輩はとんでもなく可愛かった。