「ふむ。丁度良く山小屋があって好都合。しかしここからが問題か」
王都の中央から国門を越え、アルテリア覇王国の国境いとなる、森林と山に囲まれた麓にある山小屋。そこでブリシェールは、一度敵軍の追跡を止めて重傷を負っていたレパルトの治療にあたっていた。
本来、至高ともいうべきヴァンパイアの姫が、奴隷の人間を手当てして介抱するなどありえぬこと。ましてや正式な眷属にするなど以てのほかだ。
しかし、ブリシェールは贅沢を言えるような状況ではなかった。
レパルトの秘められたスキルを失う訳にもいかず、更には妹を救出するには、絶対にレパルトの力が必要だと確信していたからだ。
瀕死だったレパルトの首を咬み、レパルトを人間として生きることを捨てさせ、傷を癒すことには成功した。ヴァンパイアに咬まれた者は、人では無く別の存在になる。しかし、それだけでは眷属として完成されない。
吸血したヴァンパイアと正式な契りを結ばねばならなかった。
「さて、ここからか。えっちっちをせねばならぬ。本来は子孫繁栄のための崇高なる儀式なれど、生涯をともに歩む眷属との契約の儀式にも用いられる。わらわが奴隷の童と契りを……」
ブリシェールはやるべきことはちゃんと理解している。正式な教養とまではいかないが、未通女なれど最低限の知識はある。
いつかは、自分もそのような経験をすることになるだろうと思っていた。
姫という身で自由な恋愛は望めないまでも、それでも最初に異性と肌を重ねるなら、その相手を深く知り、そして自分が納得するような相手であって欲しいと願っていた。
そんな夢見る乙女のような時代もあったものだと振り返りながらも、しかし、今は攫われた妹を救出するために迷ってはいられない。
「今、この童の肉体は吸血の影響で全身の血が過剰に動き、下半身が固くなっている。この肉棒と接合し、その精をわらわの子宮で受ける。子宮か……戦争が始まった時点で、念のためにと不妊の魔法をかけているので、万が一は無いとは思うが……」
自分のためでは無く、家族を救うため。更には国を守るため。このまま妹を人質に、アルテリア軍を脅されたりなどすれば父上や兄上、国の民に合わせる顔が無い。
だからこそ、ブリシェールは女としての自分を捨てる。国を守る王族として、姉として、ボロボロのベッドに横たわるレパルトの布のズボンをずり降ろした。
「ッ、ぐっ、な、こ、これが、男根か」
下穿きをずらして、眼前に現れたソレを目の当たりにした瞬間、ブリシェールの表情に脅えが現れた。童顔で無害そうな顔をした奴隷の子からは想像も出来ないほど凶暴にそそり勃つソレは、ブリシェールの覚悟を一瞬で迷わせるほどのモノだった。
「くっ、この生臭さ。ぐっ、は、吐き気が、しかし、これをわらわの膣内に入れなければ始まらぬ」
本当なら引き下がりたいと思っていた。しかし、たとえ独り言でもそれだけは言わない。強がりでも、毅然とした態度でコレを受け入れなければと分かっていたからだ。
「ひっ、ぐっ、うう、待っていろ、セレス。どのように穢されても、わらわは必ずッ! そして許せ、童よ!」
自然と涙が出るも、ブリシェールはもう一度覚悟を決めて、両足を跨いで真下にレパルトのモノと、自分の秘所が直線で結べる位置に膝立ちになる。
そして戦乙女の白いスカートの下に装着されている、己の魔法で固く閉ざされた白銀の貞操帯を外した。
カチャリと鍵が開き、それを手に取って、ゆっくりとベッドの脇へと置いた。
こうなれば、ブリシェールの秘所を覆うものも守るものも何も無く、無防備となった秘所を更に曝すべく、ボロボロにほつれたスカートを両手でたくし上げ、己の臀部と秘所を完全に露わにした。
今まで、入浴や排泄や着替え以外で、ここまで自分の肌を曝すことなど無かった。
その恐怖と未知の経験に足を踏み出そうという想いが、ブリシェールの全身を熱くさせ、吐息を漏らし、そして心臓が速く大きく鼓動した。
「はぐっ!? えっ?」
そのとき、朦朧としていたレパルトの意識が戻った。
「ひ、な、え、ひ、姫様、ゆ、夢?」
目覚めれば自分の真上には見知らぬ天井と、手の届かぬ世界の住人であるはずのブリシェールが、男と違う女特有の肉体の部位を曝して自分の上に跨っているのだ、驚くのも無理はないだろう。
しかしレパルトの意識が戻ったものの、経緯を一から説明している暇は無い。
「すまぬ、事情は行為中に説明する、今は黙ってわらわと……ッ!」?
有無を言わせず、ブリシェールは人前では絶対にしないような格好──両脚を広げて腰を一気に降ろし、レパルトの男根を未だかつて誰にも触れさせたことの無い自身の秘所に貫かせた。
「ほぼ、おほおおっ、ほ、おっ、ほ、が、かはっ! んぼ、が、あ、が……」
「ひ、姫さ、え、ま、えっ、なん、で!?」
予想だにしなかった、経験の無い種類の痛みがブリシェールを貫く。
剣で斬られたことも、打撃を受けたことも、魔法をくらったこともある。しかしこの痛みだけは、七百年生きてきたこれまでで、味わったことのない痛みだった。
思わず下品極まりないような悲鳴を上げてしまったが、それを悔いる間が無いほどの衝撃を受け、ブリシェールの心も頭もいっぱいだった。
そして、それはレパルトも同じのようだ。挿入の瞬間、ブリシェール同様に事前準備もなしに無理やり逸物を扱われたためか、顔を苦痛で歪め、現状が理解出来ずに目を白黒させながら混乱した様子で、言葉にならない声を発した。
だが、その直後にレパルトはブリシェールとの結合部を凝視し、顔を真っ赤に染めて、身体が過剰に反応したようだ。
レパルトの心臓の音と、激しく脈打つ逸物の鼓動がブリシェールに伝わってきた。
逸物の鼓動を直接感じたブリシェールも、足のつま先から頭のてっぺんまで駆け抜ける刺激に全身が震え上がった。
「は、が、あが、がはっ、わらべよ……」
「ひ、めさま? これは、いったい……」
互いに瞳を潤ませながら、上と下で互いの顔を見合う。
しばらくはその体勢のまま呼吸を整えながら、ブリシェールはレパルトの頬に優しく手を置き、切ない表情を浮かべた。
「すまぬ、許せ、ウヌを、時の流れから外してしまった」
レパルトの耳にブリシェールの言葉が入る。
「なにが、ど、どうなって?」
対してレパルトは、ブリシェールの言葉にも心ここにあらずといった様子で、息を荒くさせながら、ブリシェールの顔や結合部へと視線を行ったり来たりさせていた。
そして、ブリシェールはせわしなく動いていたレパルトの視線が、やがて甲冑に覆われている自分の胸に止まって凝視していることに気づいた。
ひょっとして触りたいのかと、ブリシェールが思ったとき、レパルトが僅かに手を伸ばして自分の胸当てに触れようとしたことに気づいた。だが、寸前でレパルトは慌てたように手を引っ込めて視線を逸らした。
レパルトはばつが悪そうな顔を浮かべながら、申し訳なさそうにチラチラと視線をブリシェールに向けてくる。こちらの顔色を窺っているのだろうと感じ取ったブリシェールは、胸の奥で何かがくすぐられたような気がして、自然とレパルトの頭を撫でていた。
「童よ。わら、わの、乳房を求めるか?」
「ッ!?」
「男は女の乳房を好むということは聞いている。童も同じか?」
息も絶え絶えにレパルトの行動に問いかけた。
その問いに、レパルトはどう答えていいか分からない様子でブリシェールから目線を外す。
レパルトのしたいことなど今の行動を見ていれば一つしか無いだろうが、奴隷の身分で口にすることなど絶対に出来ないであろうことは、ブリシェールは理解している。
言葉を失うレパルトの様子に、心情を察したブリシェールは、自ら甲冑をほどき、それをレパルトの枕の隣に置いた。
「ッ、ひ、姫様!?」
「聞くな。これしか、無いのだ」
甲冑の下には、上品な絹製の衣服を着ていた。ブリシェールはそれすらも脱ぎ、胸を覆う青い布を曝け出す。これで上半身は乳房以外、全てが露わとなった。
初めて女の肌を見たのだろうとブリシェールにも容易に分かるほど、レパルトは狼狽した様子を見せた。
しかし、見せるのはまだこれからである。
ブリシェールは左手で自分の乳房を隠し、胸を覆う下着を震える右手で外した。
もし今、ブリシェールが左手を少しでも動かせば、ブリシェールの神聖な乳房の全てが曝け出されてしまう。
「ん、あんぐっ、はあ、ふう、はあ、はあ」
「あ、の、姫様、その、お、俺……」
「すまぬ、本来このような行為は互いの合意を経て、更には口づけから始めるものだと思う。しかし、その暇は無かった。更に、申し訳ないが口づけは出来ぬ。それだけはせめて取っておきたい。だから代わりに、ん、あっ!?」
全てを言い終わる前に、ブリシェールの膣内に挿入されていたレパルトの逸物が、より血液を熱く脈打たせて膨張し、ブリシェールの膣壁を僅かに拡張させた。
そんなレパルトの逸物の変化にブリシェールが一瞬のけ反って背筋が伸びるも、すぐに呼吸を整えて、ブリシェールは腰を曲げて、仰向けになっているレパルトの顔に息がかかる距離まで近づく。
「褒美と、詫びと、報酬……この程度でと思うかもしれぬが、今、わらわがくれて、あん、やるこ、が、出来るのは、ん、これだけだ。だから、口づけの代わりに、わらわの乳房に口をつけて構わん」
「ッ!?」
レパルトの眼前で、ブリシェールは胸を隠していた手をどかし、両の乳房を全て曝け出した。
今のブリシェールは、足と脛を覆う青色のブーツの防具だけ。それ以外は全てを脱ぎ捨て、裸体を曝していた。
それどころか、ブリシェールは言ってしまった。乳房を好きにして構わない、と。
美しく、彫刻のように整った双丘と、その先端の突起状の赤い果実のようなもの。
横たわるレパルトが触れやすいようにと、ブリシェールはレパルトの眼前に胸を突き出した。
レパルトの目が血走り、荒くした吐息がブリシェールの胸に触れてゾワゾワとした刺激が身体に駆け巡る。
そして……。
「んあ!? あ、アアアッ!」
レパルトは乱暴にブリシェールの乳首に吸いついて、舐り回して貪った。
「ひゃうっ、はあん!」
「じゅぶ、ぺろ、おっ、ぱい!」
そこには種族も身分も関係無かった。
童貞と処女が同時に未知の世界へと足を踏み入れて、男と女になった。
「お、おいひいです! あむ、むじゅる、姫様のおっぱい、やわらくて、良い匂いがして、あまくて、乳首だけは硬さがあるのに、いつまででも舐められます! 手と口に吸いついて離れない! ううん、もっと舐めたいです!」
「くっ、わ、童、わ、わらわの乳房を、チュウチュウって、チュパチュパって、赤子のように……ぐっ、あ、あまりがっつくな! 逃げはせぬ!」
挿入した状態で、もう殺されたって構わないというぐらいの勢いでレパルトはブリシェールの乳房を舐め回し、吸うという動作を繰り返した。
左手でブリシェールの右胸を揉んで、左胸に吸いつく。やがて、ブリシェールの胸に自分の唾液の味しかしなくなったら、今度は反対側の、まだ乾いて侵されていない方の乳房に吸いつく。
いつまでも続けられる胸への刺激に身体が徐々に高ぶる。挿入された逸物はなおも膨張を続けており、圧迫された膣壁を刺激し続け、ブリシェールの膣内は破裂寸前にまでに押し広げられていた。
「くっ、褒美とはいえ、いつまで、くっ、全身がゾクゾクするッ!? 童の逸物がまた震えて硬く! さっきまでと全然違う!? 全身が痺れて頭が変に! な、なんだこれは! なにかが来そうな前兆は! ッ、またビクンって!」
未知の感覚に耐えるようにする一方、ブリシェールの内心に変化が訪れていた。
「し、信じられない、こ、こ、こんなの、これ以上大きくなったら、わ、わらわの身体が二つに裂けちゃう! ん、ら、だ、お腹の奥がキュンキュンして、わ、わらわのアソコが童の逸物と擦れて……温かくてヌルヌルとした感触が、な、なんなんだ、これは!?」
そのとき、下から自分の胸を舐め回していたレパルトが、腰を僅かに上下させた。
それだけでブリシェールの全身は更なる痺れが駆け抜けた。
「な、なにこれ、わ、わらわは、こんな身の毛も立つようなことをしているのに、なんだ、この感覚は? ダメだ、も、もう、舐めないで! 吸ったらだめえ! もっと、腰を動、ち、ちがあう、おぼお、なんでえ?」
これは、儀式であり、褒美であり、報酬であり、詫びである。
そうでなければ、絶対にこんな行為はしない。しかしそれでも心の中に湧きあがる感情にブリシェールは何度も否定しながらも、身体がどうしても反応してしまっていた。
身体が熱く、そして疼き、悪寒に近い寒気が全身に行き渡るが、身体の防衛本能がうまく働かない。本来であれば自分の意識とは関係無く、目の前の人間の辱めを力ずくで引き剥がしているはずだが、身体に力が入らず、そして抗えなかった。
「す、すごい、ひ、姫様の胸、や、やわらくて、すてきで、お、おいしい。乳首もこんなにコリコリしてて」
「ふ、ううううんん、ん、ん、あ、ん、ひあ、ふあ」
乳首を更に強く舐められて、ブリシェールは更に喘ぐ。硬く尖った乳首に休む間も無く生温かい舌が絡みつき、レパルトの拙い腰の動きからの膣への刺激と合わさって、ブリシェールの全身に更なる痺れが走る。
だが、ブリシェールは必死に唇を噛み締めて、何かを堪えるように言葉を繰り返していた。
「童、まだ、んん、右に、左に、交互に、ん、こ、声が出る。ダメだ、声を出しては。至高の存在たるわらわが、人間の童の愛撫になど……か、かんじ、て、なんか、い、いるはずがない!」
まだ数秒しか経っていないというのに、既にブリシェールに時間の感覚など無かった。
「もっと、何度でも、ちゅぷちゅぷ、お、おいしい!」
レパルトは時間も置かれた状況も忘れたように、目の前の色づいた乳首を吸っては口を離す。左右同時に指でつまんだり潰したりの動作も交えるようになり、その動作に合わせて、びくっとブリシェールは柔らかい肌を震わせる。
「ちゅぷちゅぷちゅぷ……ちゅぷ……ちゅ……」
「あ、ん……ん?」
しかしそこで、勢いよく舌と手を動かしていたレパルトが、途端にぎこちなくなったことにブリシェールは気づき、閉じていた目をゆっくりと開けて、薄目でレパルトの様子を窺った。
「……えっと……」
ブリシェールの胸をチュパチュパと音を立てて吸いつきながら、レパルトはどこか戸惑った様子だ。その理由が分からず、ブリシェールが小首を傾げようとするが、先程までと舌の動きや愛撫のリズムが変わったことで、ブリシェールは尋ねる前に身体がのけ反ってしまった。
「んくううう、さ、さっきまでと、し、舌の動きが違う! お、おい、童! まだ、舐めるのか? こ、これ以上は、わ、わらわの乳首が、ふやけて溶けてしまう!」
ブリシェールは、ついに我慢出来なくなって真下に居るレパルトを睨む。
「はうっ! う、ひ、姫様……ごめんなさい。俺、こういうこと初めてで、ここから先、どうすればいいか分からなくて……」
「うぐっ!」
ブリシェールの怒鳴る声に思わずビクッとしたレパルトは、不安そうに顔を上げ、戸惑っていた理由を明かした。
その不安そうな表情と打ち明けられた言葉にブリシェールの胸がキュンと高鳴った。頬が熱くなり、同時に自然と逸物を受け入れている血にまみれた秘所が、まるで抱きしめるかのようにギュっとレパルトの逸物を締めつけた。
顔色を窺うレパルトに対して、仕方がないなと呆れる母親のように微笑みを浮かべた。
「わらわの、あん、乳房は美味か?」
「ッ! ぷはっ、も、もちろんです!」
「ふっ、そうか」
しかしいつまでもその行為ばかりでは先に進まないので、申し訳なさを感じながらもブリシェールはレパルトの頭を撫でながら尋ねる。
「童よ、射精は出来そうか?」
「へっ、しゃ、せーって、あの、もしかして、お、俺の?」
「うむ。ウヌの精をわらわの膣内に放たねば、契約は成立せぬのだ」
「けーやくって、ええっ!?」
レパルトは「契約」という聞きなれない単語に身じろぐも、すぐに「膣内」「射精」という単語に意識を奪われたようだった。
「膣内に射精ってまさか!?」
「うむ、わらわの膣内に、ウヌの精を……」
奴隷の身分ではありえない行為。そしてそれがどれほどのことかというのは、経験と知識の無いレパルトでも重々承知していたのだろう。
「だ、ダメです、姫様! そ、それって、も、もしものことがあったら!」
「案ずるな。わらわの腹を見てみよ。不妊の魔法を施している」
ブリシェールは両手を自身の腹部に添えると、古代の文字と紋様が光り輝いて浮かび上がった。それこそが不妊の魔法。
戦争で敗北した場合、女がどういう扱いを受けるかなど、全ての種族が分かり切っていること。だからこそ、たとえ肉体が穢されても、その肉体に新たなる生命を宿さぬようにと刻み込まれた紋章だった。
「い、いいん、ですか?」
「くどい、あん、はあ、はあ、これは、わらわからの、あん、褒美であり贖罪だと申しているであろう? だから出すために、好きなように動いて構わぬ」
再三の確認で少し不機嫌な顔を浮かべながらも、間違い無くブリシェールは了承した。
「ひ、姫さまあああ!」
途端、レパルトが勢いよく腰を突き上げた。その目には、先程には無かった「欲望」の色が浮かんでいた。
「あん、ちょ、がっつくでない、逃げはせぬ、ひぐっ!?」
「姫様、姫様、はあはあ、ひめさまああ!」
レパルトはブリシェールの腰をガッチリと掴みながら、下から猛然とブリシェールを突き上げていく。レパルトの乱暴なピストンで激しく全身を揺らし、ブリシェールは悲鳴のような嬌声を上げる。
それが正しい動きなのかなど、最早ブリシェールもレパルトにも分からない。ただ膣内で逸物が刺激され、そうすることが正しいことのように何度も腰が動かされた。
その度に、コツンコツンと逸物の先端が子宮に触れて押し返される。レパルトはその反動を利用して何度も突き上げた。
ブリシェールの破瓜により血にまみれていた結合部も、今では粘度のある愛液が噴き出し、ジュボジュボと音をまき散らす。
「ひぅぐううう、はぐ、んあ、んん、んん! おぼおおおおお!」
一突きだけで全身に稲妻が走り、ブリシェールの上半身が反り返る。
しかし、それは痛みによるものではなかった。
──なにこれ、さっきまでとまた逸物の感触が全然違う! わ、わらわは、下から突かれて、んん、ど、奴隷の童に、お、おかしゃれて、ん、これは……なんだ、ぞ、ゾクジョクしゅる。ましゃか、快感!? バカな、ど、奴隷と交わってそんなことなど!?
ブリシェールは「信じられない」といった表情で混乱した様子を見せる。
ブリシェールの膣内で反り返ったレパルトの逸物が、膣壁をゴリゴリと抉りながら、膣奥の子宮口を小突き、それどころか更にその奥へ行こうとしているかのように、レパルトは逸物を叩きつける。
──い、イキたくない、お願い、さっさと終わってくれ、早く抜いてくれ、もっと、お願いだ、早く……あと、ほんの少しでいいんだ、さっさと、ほんの少しだけ突く速度を上げて……そ、それだけでいいんだ、ほんの少しだけ速度と強さを、でないと、わ、わらわが、こ、こわれる!?
過剰なまでにブリシェールの肉体は快楽に魅せられていた。
それは断じて、ブリシェールが恋慕を抱いたわけでも、レパルトの性技が優れていたわけでもない。
弱々しくも懸命に腰を振るレパルトは、それだけで絶頂寸前であるのだが、そのレパルト自身が感じる快感が、直接ブリシェールにも伝わってしまっているのだ。
「はあ、はあ、はあ、ひ、姫様、お、俺、もう、で、出ちゃう」
レパルトの呪いであるレベルマイナス1。それは、肉体を使って戦う相手よりレベルがマイナス1弱くなるスキル。
つまり、一対一で殴り合いをすれば、必ず先に倒れるのはレパルトの方である。
しかし、レベルの差はほんの僅かゆえ、両者にほとんど差は無い。
もし、レパルトが殴り合いでボロボロになって失神して倒れてしまえば、対戦相手は失神しないまでも、失神寸前のボロボロにまで追い詰められるのだ。
つまり、この行為もそうなのである。
男にとっての射精とは、性的興奮の絶頂を意味する。
レパルトが絶頂寸前ということは、肉体を交えているブリシェールも同じく──。
「ひゃ、おぼおお、ひゃやくしろ! ちゅ、つよくう! はやくう! はやく終わってくれえ! こわれるう! わらわ、ウヌのいちもつにジュポジュポちゅかれながら、イクッ! イクイクイクイクウウウ!」
絶頂寸前ギリギリまで追い詰められ、その快楽に精神が正常を保てぬほどになっていた。
──い、いやだ、はやく、お願いだから、も、もっと、ほんの少しだけ強く、お願いだから、もう少しだけ! じゃないと、わらわ、じ、自分の意志で、こ、腰をふ、振っちゃう! それだけは、ダメ、だか、ら、おねがい!
戦いと違い性行為において発動するレベルマイナス1の地獄はこれからなのである。
「おほ、ほ、ほお、で、出る出るでルウウ!」
「ら、らめ、ま、お、あとちょっとだけ! ま、もうしゅこし!」
レパルトは射精、絶頂することが出来る。そして絶頂すれば全身の力を失ってそれ以上戦うことは不可能になる。
つまりレベルマイナス1のスキルにより、女より早く絶頂し、精根尽き果てて敗北してしまうのである。
レパルトが絶頂して行為をやめた瞬間、相手は絶頂のほんの僅かな手前、寸止めで終えられてしまうのである。
レパルトが気持ちよく射精すればするほど、あと僅かな刺激で絶頂出来る手前までしか到達出来ない。
それこそが地獄。イキそうでイケない。あと少しでイケるのにイケない。
上り詰めてついに絶頂まで指がかかるかどうかの手前で止められてしまう。
絶頂で達するレベルを100とするのなら──。
「で、出る出る出る出るぅ!」
「んぐぼ、おほ、ご、おほお!」
ブリシェールの今の絶頂レベルは99なのである。
根元から亀頭に至るまで激しい射精欲によって限界まで膨らんだレパルトの逸物から、爆発するように白濁の精が噴き出した。大量の精がブリシェールの膣内を満たしていき、子宮口をこじ開けて流れ込む。
膣内の隅々まで隙間無く白濁の精を放ったレパルトは、魂が抜かれたかのように脱力した。
「はあ、はあ、出た、ひ、姫様、ぜ、全部、だ、出しました……」
射精の余韻に肩で息をするレパルト。その一方で、子宮の奥まで精液を叩きつけられ、これで完全に陥落したかと思われたブリシェールは──。
──うそ、お、おわった、わ、わらわの膣内に、童の精液が出て……お、おわり……終わり? ちょ、待て、こ、これで終わりになるのか? あと、あとほんの少しでいいのだぞ? あと、ほんの少しでわらわは……あと、あと少し!
灼熱の砂漠地帯を延々と歩き、完全に乾ききったところで、ようやくオアシスを見つけて手を伸ばした瞬間に消えるような感覚を覚えていた。
レパルトは絶頂し、子宮に精液を受けた。
これで契約は成立したのである。これ以上、行為を続ける必要など無い。
しかし、それでもブリシェールの表情は取り乱したままであった。
──お願い、まだ、もう少し、あと一回、あと一回突いてくれれば多分イク! ……お願い、う、動いて、動いてえ……じゃ、じゃないと、わらわ、頭がおかしくなる……イケるんだ……イッたら落ち着くから……お願い、い、イカせて……い、イカせてえ! もう、どうせ二度と童とはしないんだから、せめて、ここまでくればもうあと一突きぐらい同じだから、つ、突いていいから、ち、乳房をチュウチュウしていいから、お、お願いいい!
いまだ結合した状態で、ドクドクと熱いレパルトの精を膣内で感じながら、ブリシェールは腰を自らの意思で動かしてしまいそうになる衝動をギリギリで抑えようと、プルプルと全身を震わせていた。
──くっ、どうすれば……無理だ……このままお預けは……もう、わらわは……。とにかく、これで契約が成立した以上、もうこの童とは二度と……二度と……二度と……もう一度ぐらいは……。
そのとき、絶頂したレパルトとブリシェールの目が合った。
「はあ、ふう、ひ、姫様……俺……」
気まずそうなレパルトの表情を見た瞬間、ブリシェールの中で何かがキレた。
「こ……このヘタクソめ! ウヌがヘタすぎて、契約が失敗したではないか!」
思わぬブリシェールの発言に、余韻に浸っていたレパルトはギョッとした顔を浮かべた。
「えっ、し、失敗!? そんな! お、俺、それじゃあなにを……」
「この度し難いほどのクズめ! 愚か者め! わらわの純潔を奪いながら……全てを無にするとは何事か! これでは、ウヌともう一回しなければならないではないか!」
「も、もういっか!? ひ、姫様と……そ、で、でも!」
失敗したからもう一回。しかし、そう言われたからといってすぐにレパルトは頷かなかった。
だが、ブリシェールはレパルトの気持ちなど関係無いとばかりに、ブツブツと「仕方ない仕方ない」と文句を言いながらも既に自分から小刻みにレパルトの上で腰を動かしていた。
僅かに萎えたレパルトの逸物を、膣内から逃がさないように、懸命に膣に力を入れて圧迫し、刺激し、そして煽っていく。
「なんたる屈辱! これほどの辱めを……おのれえ……」
「お、俺……そんな……なんてことを……なんで俺はこんな……そんな……」
「うむ、は、ハンセーせよ……よいか? 契約出来るまで寝かさんからな! わらわに忠義と罪を感じるのなら……もっとまぐわえ! 突け! 泣いている暇があれば、乳を舐めよ! わらわを犯せ! 子宮の奥まで精を放て! はらま……抱け!」
そう煽られてしまえば、一度精を放ったとはいえ、再び力が漲るというもの。
「ん゛おほっ♡ ゛おほおおおおおおおおおおおおおおお゛お゛おっ♡」
膣内で再び硬さと熱を取り戻したレパルトの逸物の動きに、品の無い悲鳴がブリシェールから漏れた。
現在のブリシェールの絶頂レベルは99。
しかし、どれだけ近づけど、100にはならない。
妹のことも、国のことも、全てのことがこの瞬間だけは頭から抜け、ブリシェールへの寸止め地獄が始まった──。
レパルトは二度の射精を終えたというのに、既に三度目の行為に及んでいた。
二人で対面に抱き合うような体位でレパルトが腰を振ってブリシェールを突き上げる。
夢のような快楽に何度でも果てられると感じるほど、未だ萎えないレパルトの逸物は何度もブリシェールの膣内で暴れまわっていた。
一方、ブリシェールは、あとほんの紙一重、紙一枚、塵一つ分ぐらいの刺激で絶頂を迎えられることが出来る。しかし、レパルトのレベルマイナス1の能力によって精神崩壊寸前まで追い詰められるも、それでもまだ達することが出来ないでいた。
「だんでびべばいぼ!?」
何でイケないのだと言いたいのだが、最早呂律も回らぬほど壊れかけているブリシェールは、ただただ自身が絶頂することしか考えられなかった。
ブリシェールの絶頂レベル:99.99999999999
──むりいだお、これいじょう、なんのしげきを? なんで、いきたいのに、あとちょっどなのにい!
ブリシェールの瞳は半分白目を向いて反転していた。
「はあ、ん、すごい、姫様の膣内、何回でも出せる……おっぱいもおいしくて……あむっ」
「またチュウチュウ!?」
突きながら乳首を再び口に含む。それだけで、ブリシェールの絶頂レベルは再び上がる。
ブリシェールの絶頂レベル:99.99999999999999999
されども、100にはならない。
──イキたい! トビたい! イキたい! トビたい! イキたい! トビたい! イキたい! トビたい!
意識が保たれるギリギリの寸止めを繰り返され、もういっそのこと意識を完全に断ち切るほど壊して欲しいと考えていた。
しかし、レパルトのスキルがある限り、性行為ではブリシェールはレパルトより先に達することは出来ず、それどころか達する寸前で寸止めされるのである。
意識があることが却って寸止め地獄を繰り返すという悲劇になっていた。
「ひ、ひひいい、姫様のアソコがまた俺のをキュウキュウ締めつけてる、おれ、すごい、姫様に何度もしてる! 何度も舐めちゃってる! 何度も! 何度も! 何度もお!」
そして、またそのときが訪れようとしている。
レパルトが三度目の射精の気配を放ち、膣内で爆発の秒読みが始まったことをブリシェールは感じた。
これが勢いよく放たれれば、絶対に自分もその衝撃で絶頂出来るはず。絶頂出来ないはずが無い。ブリシェールはそう思っていたが、その想いは二度目の射精のときに完全に裏切られたことを覚えていた。
だからこそ不安になる。もしこれでまた絶頂出来なければ。
流石に、レパルトも三回もあれほど勢いよく出せば、次で打ち止めだろうというのは、何となくだがブリシェールも察している。ゆえに、ブリシェールが絶頂するとすればこれが最後の機会であった。
しかし、どうすればいいのか分からない。
今のブリシェールには、契約も妹も国も頭に無く、自分がどうすればこの寸止め地獄から解放されて絶頂出来るのかしか無かった。
──これも、レベルマイナス1の力なら、わ、わらわは、次も?
悶絶寸前の息も絶え絶えの中で、ブリシェールはこの不思議な現象はレパルトのスキルの所為なのだと途中で察していたが、だからといって打開策が思い浮かんだわけではなかった。
試しに、レパルトに乳房への愛撫以外にも、首筋や脇の下やへそ回りを舐め回させたりしたが、それは快楽が上がるだけで絶頂まで達しなかった。
「い、いきますよ? ひ、姫様、も、もう、おれ、い、いっちゃいますよ!?」
「ま、まれ、お、おねがい、も、もうすこし、゛まで!」
爆発の秒読みと併せて残りの精を全て吐き出そうと、レパルトの腰の動きが最後の加速に入る。
このとき、既にブリシェールの絶頂レベル:99.9999999999999999……を超えていた。
しかし、ここまで来たのに、それでもきっと絶頂出来ないのだろうとブリシェールは薄々感じ取っていた。
それでいて、このまま終わる? そんなのは絶対に嫌だと、ブリシェールは崩壊寸前の頭の中で必死に打開策を考えていた。
──だ、だめだ、頭が真っ白になる……な、なにも考えられぬう……こ、これ、悪魔だ! 悪魔逸物だ! こ、こんなの、もう、し、死にたい! 死に……ッ!?
そして、極限ギリギリまで追い込まれた精神の中で、ブリシェールの頭の中に一つの閃きが浮かんだ。
──死に……いや、そこまでいかなくても、例えば射精で終わりではなく、こやつを失神するまで搾り取ればどうなる? ……その一歩手前、つまり絶頂にまでわらわは達しゅるか?
それは、レベルマイナス1の特性についてだった。
レパルトは戦いでは絶対に相手に勝てない。
レパルトが射精という絶頂を迎えたら、女はその一歩手前までしかいけない。
ならばレパルトに絶頂の、更にその先に追い詰め、失神するようなことをさせたら?
──た、例えば、わ、わらわがこの場で……わらわ自身の意志で腰を動かしまくればどうなるのだ? もう、こやつが無理だと言おうとも、全てを出し尽くすまで貪れば……。
ブリシェールの疑問に、レパルトは答えることは出来ないだろう。誰だって失神するほど精を放ったことが無いのは、これが初めての経験であるブリシェールも理解している。しかし、ブリシェールは最早、藁にも縋る想いで試すしかなかった。
でも、それでも躊躇いはあった。
──わ、わらわが自らの意志で腰を動かすだと! そ、そんなの、まるでわらわが感じているみたいではないか! わらわが、気持ちよくよがっているみたいでないか! もっと気持ちよくなりたいと思って腰を振るだなんて、ま、まるで、い、淫乱な女ではないか!
奴隷の人間の子の逸物に跨って自ら腰を動かす。それがどれほどの恥辱であり、誇りを穢す行為になるか。
「でもうごかひちゃう! もういい!」
その瞬間、ブリシェールはこれまでレパルトの上に跨っていた姿勢を変えた。
対面で抱き合うような体勢から、レパルトを両手で押し倒して、仰向けに寝転がせさせた。
それだけであれば、最初に交じり合ったときと同じ騎乗位の体位なのだが、今回はそれだけではない。
ブリシェールは自身の両足の裏をベッドに着けた状態にする。そして、両足をがに股に大きく開脚させながら、上下に弾むように激しく動いた。
「お、おおおうっ!」
「ひゃあ! ひ、姫様ぁ! そ、それすごいですぅ!」
ブリシェールが両足を開脚させながらレパルトの上で腰を振ることにより、レパルトから結合部が丸見えになる。鮮血、白濁液、愛液の三つが交じり合ったものが潤滑剤としてジュボジュボと音を立てる光景を目の当たりにし、レパルトの逸物はブリシェールの膣内で更に硬度を増す。
この刺激に耐え切ることなど出来ないであろうレパルトが苦悶の表情で叫ぶ。
「あっ、出るッ!」
レパルトの逸物から最後の精が鉄砲水のように勢いよくブリシェールの膣内で爆発した。
膣内が新たな精で満たされる感覚を受けながらもブリシェールは腰を動かした。
「出ルウウはあ、はぐっあ! ひ、姫様?」
「どぴゅってきた~! でも、まらいけにゃいから、いちもつもっとおお!」
レパルトは残る全てを出し切ったと、世界が一瞬黄色に見えた。が、すぐにハッと目を見開く。
射精が終わったというのに、なおもブリシェールが精を出し終えた直後の逸物に腰を振り刺激を与え続けているからだ。
「ひ、ひめ、しゃま、も、もうう、もうおわっ、だ、ダメです、び、敏感になってるから!」
「ううう、うるひゃい!」
三度も射精した逸物を更に刺激し続けるブリシェール。レパルトは敏感になっている逸物への容赦無い終わらぬ刺激に過敏に反応してよがった。
「ひゃっぐ、な、なんだ、い、いちもつう~、ヘロヘロ~! たたせろおお! なんで弱くなってるう!」
「はぐっ、だ、だっ、て三回も、い、いたいいい! だ、だめです、お、俺のお、ちんぽが痛く! い、痛い、も、もうだ、姫様、許してくだ、さ、ひああああ!」
「ちん……ぽ? いちもつのこと? なんだ、その下品な響き! なにがちんぽだ! ちんぽなん……て、はあ、な、ちん、もういいから、ちんぽお! ちんぽ、ちんぽせい! ちんぽうごけえ! ちんぽ、はあ、ちんぽ、はあ、はあ、ちんぽお、はあ、ちんぽ!」
レパルトの逸物に与えられる刺激は、最早快楽ではなく肉体と精神の苦しみにほかならなかった。
絶頂寸前地獄の続くブリシェールに対し、絶頂しすぎたうえにまだ続く地獄を味わうレパルト。
両者の地獄が続く中、ここから先の主導権は全てブリシェールが握っていた。
「ちんぽちんぽちんぽ、ちんぽせい! ちんぽうごけえ! ちんぽ、はあ、ちんぽ、はあ、はあ、ちんぽお、はあ、ちんぽ!」
ブリシェールは行為をやめることなく、自身の身体を激しく上下前後に何度も動かす。
しかしそれだけではぬるいと感じたブリシェールは、腰を円状に動かしたり、動きに工夫を加えて乱れる。そう動くことによって、時折自身の尻骨とレパルトの恥骨が擦れてゴリゴリとした音を立てて、新しい刺激を生み出す。
「ひゃぐ、だ、だめええ、ひめさまあああ、お、おれの、ちんぽ、はれつしちゃう! こ、こわれ、ひっぐ、しんじゃううう!」
ブリシェールは更に、空いている両手でレパルトの無防備な睾丸を掴んで揉み回す。
「しにゃない! ウヌはもうヴァンパイアの眷属だからしなないからちんぽもなおるから! ちんぽなおる! ちんぽかたくなる! なんどもちんぽお」
ブリシェールに強制射精させられるレパルト。
三回で限界だったはずのものを、四回五回と更に搾り取る。
途中から、それは最早精液以外のものだったかもしれない。
潮だったり、ひょっとしたら尿だったかもしれない。
両者既にそのことについての認識が無いほど何度も何度も搾取し、搾取され続けた。
──しゅごい、すごすぎる! これがちんぽ! 弩級の威力! 弩級チンポ! 弩チンポ! チンポ至高! チンポ最強! チンポ無敵! チンポ無双! チンポ魔法! チンポ神ィ!
もうどれほどの時間交じり合っていたのか、時間の感覚すら二人には無かった。
しかし、ついに……。
「──んぐっ!?」
最早射精の勢いも無く、ただ、何かの液が再びブリシェールの膣内に垂れ流されたとき、全身を痙攣させてレパルトが完全にパタリと意識を失って動かなくなった。
そして、それが合図となり──。
「うっ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ くるう! くるくるくるなにかがくるくるくるくる!」
ブリシェールは、ついにこのときが来たと確信した。
まるで地平線の彼方から何十万の兵が地響きを立てながら押し寄せるかのように、徐々に、そして一気に爆発する前兆。
絶頂レベル:99.999999999999999999999999999999999999……
追い込まれ、焦らされて、溜め込まれたものが全て一度の絶頂で解放される。
「んふぉぉぉぉぉっ! おぉぉぉっ! んぉぉぉぉっ! んぼおお、キタアアアアアアアアアアア! うびゃろばああああああああああああああ!」
言葉にならない絶叫とともに、ブリシェールの瞳からは溢れんばかりの涙、鼻水、涎、そして潮がベッドどころか床、壁、更には天井にまで飛び散った。
口をだらしなく開け、舌を剥き出しにし、反転させた目で、全身を痙攣させるブリシェールは完全に意識がぶっ飛んでいた。
「あへ♡ あは♡ へ、あば♡ おぼ♡」
その瞬間、ブリシェールも、レパルトとほんの僅かな差で気を失い、そのまま倒れた。
二人の男と女は、互いの性器を結合させた状態のまま、まるで抱き合うような姿でベッドの上で気を失っていた。
二人がそこから意識を取り戻したのは、数時間後のことであった。